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2021年12月10日23:51

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俺は好き = ヒットしない 『エターナルズ』

たしかに本作は賛否両論あるマーベル作品だ。だが俺は好きだ。そうして俺が好きな作品は大抵ヒットしない。*1

映画は壮大なスケールで開幕する。

約7000年前、マーベル最強種族のひとつセレスティアルズの命令で、地球へと到来した10人のエターナルズ。エターナルズは邪悪な種族デヴィアンツから人類を護り様々な場面で影響をあたえてきた。だが一度は絶滅したデヴィアンツが復活する。

神話、伝説、宗教、文化の片鱗に見え隠れするエターナルズの影。*2

エンドロールが象徴するよう、10人は人類の歴史の節目へ登場する。同時に人類が抱く善悪双方の面に悩む。

ことわっておくがマーベル作品らしいヒーローアクションは各所にちりばめられている。*3 クロエ・ジャオ作品の抑制のきいた空気と画面は、今年オスカーを受賞した『ノマドランド』同様、場面に格調高い雰囲気をあたえている。

LGBTQ+に配慮した内容、多様性溢れる登場人物、人類の負の歴史の反省と、マーベル作品と一線を画す豊富な社会風刺も特徴だ。*4

ところがエターナルズ自体がはらむ問題は内輪もめ以上なにものでもない。

作品をツイストするセレスティアルズの陰謀や超人も心は“人間”であるという理由は存在する。ただ、超越種族が「そんなことで内輪もめ?」といった思い込みもあるし、和解と修復のチャンスは作中いくらでもあったろう。

約3時間の上映時間と移り変わる時代の把握も大変。万人うけはむずかしい。


※1 最後をしめくくった「万人」の言葉でもわかるが、つまるところこの感想の書き手の感性とは「世間一般の普通のヒトたち」とはちがうということだ。ヒットをする作品とは「世間一般の普通のヒトたち」のニーズにヒットしないとならない。そういう意味において「売れた/知れた」作品とはやはりすごいのである。

※2 有名な発掘物や美術品に10人の影や形が見え隠れする。こういうのは大好きだ。

※3 この部分は多少批判の批評がかちすぎて公平ではない。ちゃんと規模のおおきなアクションはみせてくれる。

※4 エターナルズの1人フアストスは完全なゲイだし、マッカリは聴覚障害の持ち主で手話で話す。また原爆の描写など現在の時勢や過去の反省を意識している。
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