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2021年11月17日10:52

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東武鉄道の新しい特急車両と,現在の特急車両のお話

 東武鉄道の新しい特急車両も「乗ったときから観光の始まり」になってくれそうですね(ლ˘╰╯˘).。.:*♡

 東武鉄道の特急列車は,快適な室内と良質なサービスとで以前から有名です。かつて東京〜日光間で国鉄との熾烈な競争が行われていた1960(昭和35)年に登場した1720系「デラックスロマンスカー」は国鉄1等車(現在のグリーン車)と同等の座席を備えた他にジュークボックスを設置したサロンルームやビュッフェなども設けられた名前のとおりにデラックスな車両で,一説によると遠くイギリスにまでその名を轟かせたと言われています。国鉄との競争については東武鉄道の圧倒的勝利で幕を閉じましたが,その後の1990(平成2)年に登場した100系「スペーシア」もやはり優れた車内設備を持つ車両です。1720系と同様にJRグリーン車と同等の座席とビュッフェが設置されています。サロンルームはありませんが,代わりに個室が6室設けられていて,まるで自家用車のような感覚で周囲に煩わされること無く家族や仲間と旅行を楽しむことが可能です。2006(平成18)年にはかつての競争相手であったJR宇都宮線を経て新宿駅までへの乗入も開始されました。なお,JR線内では個室はグリーン車として扱われます。

 その100系もだいぶ古くなり「そろそろ新しい車両が投入されるのかな」と思っていたところ,今回新型特急車両「N100系」の導入がプレスリリースされました。一体どのような車両になるのか,興味津々で記事を読んだところです。
 実は僕は「次は随分と簡素な車両になるのではないか」と予想しておりました。デラックスロマンスカーは国鉄との競争に打ち勝つために敢えて豪華な車内設備を整えたものですし,スペーシアが登場したのはバブル景気の真っ只中です。現在ではJRは競争相手ではなくパートナーになっているし,世の中が好景気に沸いているわけでもありません。それどころかコロナ禍で「スペーシア」のビュッフェは営業を終了してしまいました。更に言えばかつては浅草・北千住からノンストップで日光方面に向かっていた東武特急も,現在では春日部・栃木・新鹿沼といった途中駅にも停車して沿線の輸送手段としても利用されるようになっています。「あのような華やかな時代はもう来ない」と諦念を抱いていたといえばよろしいでしょうか。
 しかし,僕の予想は全く外れたようです。この記事によると「車両に乗り込んだ瞬間から『自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア』とつながることができ(る)」「現行の『スペーシア』と同様に個室を引き続き設置」「ラウンジやカフェカウンターなども設ける」とあり,どうやら現在のスペーシアよりも更に豪華で,かつてのデラックスロマンスカーをも彷彿とさせるサービスが提供されるようですね。個人的に特に嬉しいのはカフェカウンターの設置です。かつて新幹線に乗る際の僕の楽しみは,ビュッフェでお茶や軽食を頂くことでした。駅弁なども美味しいものですが,出来立ての温かいお食事という訳には参りません。僕と同じことを思う人が決して稀ではない証拠に近鉄の「しまかぜ」やJR東日本の「サフィール踊り子」といった観光特急にはそれぞれ「カフェ」「カフェテリア」といった供食設備が設けられ,乗客に温かいお食事を提供して好評を博しています。東武もまた近鉄やJR東日本と同様のサービスを提供するということですね٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °

 一方で「現在の100系スペーシアはどうなるのだろう」という点も気掛かりです。実は1720系デラックスロマンスカーは廃車されたわけではありません。車体を乗せ換えて200系として生まれ変わり,今度は館林・足利・佐野・赤城方面と東京とを結ぶ急行(現在は特急)「りょうもう」として転用され,現在も活躍を続けています。当然,こちらもかなり古くなっています。ではスペーシアも改造されて「りょうもう」に導入されるのかといえば,どうもそうではなさそうです。「りょうもう」も観光に使われることはありますが,基本的にはビジネス向けの列車です。ビジネス向けの特急車両としては既に500系「リバティ」という車両が開発され,現在も増備が続いています。この車両は日光方面・赤城方面の双方に使用されており,将来的に「りょうもう」はこの500系に置き換えられるのではないかと僕は予想しています。そうすると宙に浮いてしまうスペーシアは廃車になってしまうのでしょうか…
 実は他の鉄道会社においては,名列車といわれる特急車両が中古車として地方私鉄に譲渡される例が珍しくありません。各地の古い車両を積極的に走らせている大井川鐡道では近鉄16000系が走っているほか,小田急の10000系「HiSE」は長野電鉄で,同じく小田急の20000系「RSE」はJR東海371系ともども富士急で,西武5000系「レッドアロー」は富山地鉄で,それぞれ今も活躍を続けています。それらの車両と同様に,どこかの鉄道会社で100系スペーシアを導入して活躍を続けることは不可能でしょうか。幸いにして同車両は山岳路線である東武日光線での走行を前提に作られているので,勾配の多い路線であっても走行に支障はありません。なお東武鉄道を含めてここで挙げられた鉄道の軌間は全てJRと同じ1067mmの狭軌ですが,一方で大井川鐡道や富士急・富山地鉄などでは軌間の異なる鉄道路線の中古車を購入し台車を履き替えて走っている車両も存在しますから,軌間の違いは問題にはなりません。因みに先述のとおりスペーシアはJRに直通運転を行っておりそのためにJR線内用の保安設備を備えたものも存在しますから,JRと軌間の同じ鉄道会社であればJR直通列車に利用することも不可能ではありません。

 東武鉄道の新しい特急車両N100系の登場を心待ちにする一方,現在のスペーシアもどこかで活躍を続けてほしい。僕はそのように願っています。



東武が新型特急「N100系」導入、ラウンジやカフェカウンターを設置
https://nordot.app/831418032113090560
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