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2021年11月05日06:59

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皆川末子氏の「布絵」,本当に素敵ですね(ლ˘╰╯˘).。.:*♡

 とっても素敵な美術作品ですね(ლ˘╰╯˘).。.:*♡

 僕の高校には制服がありませんでした。入学式の日には殆どの新入生が銘々が出身中学校の制服を着用して参列するので,まるで混成部隊です。それでも僕の時代の中学の男子制服は殆どが詰襟の学生服でしたが,女子制服は案外バラエティに富んでいましたから,事情を知らない人が見たら「(。´・ω・)?」と思ったかもしれません。いや,当の新入生である僕たちから見ても,何だか違和感のある1日だったのをよく覚えています。当時の記念写真を見ても女子は勿論のこと,男子もよく見るとそれぞれ微妙に違った学生服を着用しているのが判ります。
 そういう混成部隊は1日で解消され,翌日からは私服の生徒が増え始めます。女子たちは次の日にはもう私服での登校を始めていました。男子はというと最初のうちは中学の制服を着続ける者も存在しますがやがて殆どの者が私服になっていき,最後には慣習で学生服を着用することになっていた硬式野球部員のみになるというのが例年のことだったようです。僕の学年も例外ではありませんでした。最後まで学生服に拘っていた者たちも,6月1日の衣替えで私服に切り替えるといった感じだったように記憶しています。

 そんな生活を送った高校生たちも,3年後には卒業の日を迎えます。卒業式の日にはほぼ例外無くそれぞれに晴着を着用して参列するというのが,これも僕の高校の習わしでした。3年生の半ばまで硬式野球に打ち込んでいた人たちも例外ではありません。これは当然で,彼らも卒業式の日には既に野球部員ではなくなっています。夏の大会が終わると彼らも引退して学生服を脱ぎ,今まで野球に注いでいた情熱を私服に包んで,今度は受験勉強に全力を傾けて晴れの卒業を迎えるわけです。そんなわけで卒業の日には皆が晴着で登校するわけですが,男子は皆が背広ばかりで,あまり見栄えがしなかったかもしれません。「大人に見える」「よく似合っていて格好良い」などと先生方や後輩諸君に褒められれば無論悪い気はしませんでしたが,制服の無い高校ですから誰もが既に冠婚葬祭などで背広を着用した経験を持っているので,僕自身を含めてあまり気持ちが浮き立つということは無かったように思います。
 これに対して女子は実に華やかなものでした。洋装の人も無論居ないではありませんでしたが,振袖で参列する人のほうが圧倒的でしたね。細密な柄も目に鮮やかな振袖を着ている若い女性たちは日頃見慣れた級友とは思えないほど大人びて美しく,僕たち男子は驚くと同時に「あんな華やかな晴着を着用出来るなんて羨ましい」と心の底から感じたものでした。それと同時に彼女たちの身に付けている着物自体も見事なもので「和服というのは何と美しいものか」「女性の着用する和服というのは,衣服であると同時に絵画でもある」などという驚きと憧れとをも感じさせられたものです。

 そんな思い出も遠くに過ぎ去り,僕は若き日の感動をすっかり忘れ去ってしまっていました。しかし今回,こちらの皆川末子氏の「布絵」についての東京新聞の記事を読み,あの日に覚えた感動が再び甦って来るのを感じました。最初「このような柄のテキスタイル作品なのかな」と思って記事を読んでみたところ,そうではなく「人物などの下絵に、着物や帯を解いた古布を重ね合わせる」という技法で制作された一種の貼り絵なのですね。それも江戸時代から大正時代に実際に着用されていた着物や帯を張り付けて制作されているので,まさに実際の女性たちの姿が正確に再現されていると言えそうです。そして写真で観る限りですが描かれた女性たちは古風な非常に美しい顔立ちをしていて,とてもよく着物が似合っていますね。同記事によれば皆川氏は日本画家を目指していらしたとのことで,なるほど日本画のテイストを濃厚に感じさせられます。同氏の作品は米国やオランダ・ハンガリーなどでも高く評価されているということで,この写真を観て「それは当然のことだろう」と納得すると同時に「僕の故郷でこれほど見事な芸術が制作されていたのに,全く知らなかったというのは何とも残念なことだ」という悔しい思いをも感じています。僕はよく「近年まで美術に全く無知で何の興味も無かった」と申しておりますが「謙遜でそう言っているだけで,本当は少しは知っていたし好きでもあったのだろう」と言われることも珍しくありません。しかし今回「この記事を読むまで,地元で制作されているこんな見事な美術を存在すら知らなかった」と正直に申し上げたことで「本当に何も知らなかったのだな」と皆様にもお判り頂けたことでしょう。

 皆川末子氏の布絵作品を是非実際に観てみたい。僕は今,その思いで頭がいっぱいになっています。それと同時に,こうした作品を観ることで僕自身を含めて多くの人々が織物の美しさを再認識出来たら素晴らしいことだとも感じています。近年では和服を着用する女性も減り,伝統的な織物産業も衰退しつつあるということを耳にしています。しかしこのような布絵が数多く制作されるようになれば状況はまた違ってくるでしょう。布絵の素材として織物が生産されること自体にも期待を持てますが,こうした布絵を観た女性たちが「自分も実際に着物を着てみたい」と感じてくれたならば,それは織物産業の再活性化にも繋がるのではないか。僕はそう思います。更に言えば和服の美に心打たれた米国やオランダ・ハンガリーの人々にも和服の素材である織物,更には和服そのものを売り込むことが出来れば,産業の活性化という面でも国威の発揚という面でも更に素晴らしいことです。着物に限らず世界に冠たる日本文化を,風流を解する外国の人々にも広めていくことが叶ったならば,日本人としてこれほど誇らしく愉快な話はありません٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °

 ともあれ,まずは12月19日までに筑西市の「しもだて美術館」に足を運ぼう。幸いにコロナ禍も下火になっている今,それは何も難しいことではありませんね♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪



布絵70点 鮮やかに しもだて美術館 水戸の皆川さん展示
https://www.tokyo-np.co.jp/article/140660
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