この日は、大好きな天才ﾋｯﾁｺｯｸの、何度も見ました、54年の名作中の名作の映画をまた見てしまいました。
脚にｷﾞﾌﾞｽをして不自由な主人公が、一流のﾌｧｯｼｮﾝを毎日、着てくる絶世の美女に結婚を迫られながら、裏窓から中庭の向かいのｱﾊﾟｰﾄの人間模様を覗き見するという変わった映画なのですが。
まず、ｸﾞﾚｰｽ･ｹﾘｰがあれほどのﾌｧｯｼｮﾝで現れて婚約を迫るのを、断る男性が存在するのが信じられないのですが。そこはｼﾞｪｰﾑｽﾞ･ｽﾁｭﾜｰﾄの、彼女にはもっと幸せな結婚をしてほしいという希望なのでしょう。
映画が良く出来ているのが、普通のﾊﾘｳｯﾄﾞ映画と違って。銃撃戦もなく、肉弾戦も無く、ｶｰﾁｪｲｽも無く、裏窓を眺めている不自由な男が、ﾐｽﾃﾘｰを感じ、恐怖に襲われる様子を、美人とのﾛﾏﾝｽや、看護師の皮肉なﾕｰﾓﾗｽのやりとりで、描いているのが、映画史上でも類を見ない優れた点です。
しかし何度も見ていて、ﾘｱﾘﾃｨｰを感じないのは、死体を損壊したとされる向かいの容疑者なのですが。
たぶん、ﾘｱﾙに死体を損壊するのは、筋肉痛になるぐらいの力が必要なので、機械を使わないと一人で一日で行うのは体力的には無理があるのと。死体を切り刻んでも、思わぬところに血が飛び散るので清掃は大変なのと、殺人者の心理的にはそれまで生きて魂があった存在を損壊するには、恐れや恐怖、絶望、ﾄﾗｳﾏでその後の人生を普通に過ごせるとは思えないですが。50�繕瓩て�塊をﾊﾞﾗﾊﾞﾗにして、皮を骨から剥いだり、贓物や脳みそを処理するのは、普通の神経では出来ないと思います。PTSDみたいな症状になると思いますが。
そこまでのﾘｱﾘﾃｨｰは追及せず、何と最後に主人公の密告がﾊﾞﾚて、殺人犯に殺されそうになるｼｰﾝにも、向かいの作曲家の甘い音楽が掛かってました。
恐ろしい話なのに、何て甘い、爽快な仕上がりになっているのでしょう。
ｻｽﾍﾟﾝｽ映画史上に残る映画を見たい方は、必須で見るべき映画だと思いました。
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