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2021年09月10日15:43

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聴覚情報処理障害(APD)ということ

以前ここでも書いたことが有る。
私は、相手の言葉が聞き取れないことが有る。
静かな場所で二人で会話しているなら、まず問題は起きない。

しかし、会話の相手の向こうで誰か他の人がしゃべっているとか、
店内にBGMがかかっているとか、
動画にBGMがずっと流れているとか、
人の家に行ったらずっとテレビをつけっぱなしとか、
人の車に乗ったらうっすらとラジオをつけっぱなしとか、
そういった場合、相手が何を言っているか聞き取るのが困難だ。

まったく聞こえないわけではない。
そこが難聴とは違うところだ。
聞こえないのではない。
とても聞き取りづらいのだ。

聞き取れないわけでもないので、
一所懸命、相手の言うことに集中して聞き取ろうとする。
これがけっこう、疲れる。

BGMの無い動画や、音楽の流れていない飲食店など、なかなか無い。
それはきっと「味気無いもの」になってしまう。
放送の場合、会話が途切れると放送事故のようになってしまうから
BGMを入れるということも有るだろう。

しかし、私にとっては
BGMの中の会話を聞き取ることは、とても疲れる。
日常的なことなので、慣れていると言えば慣れてはいるのだが、
そういった背景音の無い状況になると、とても楽でホッとする。



このことについてずっと疑問だった。
15年ほど前に、鍼灸の専門学校に入学した。
図書室で医学論文を検索できたので、
探したが、どうも該当するものは見付けられなかった。

中国古典医学(’東洋医学’と一般的に呼ばれているアレ)を
あれこれ読み漁った。
病の捉え方が現代医療とまったく違う。

何かのところで、「聞こえてはいるが、言葉として聞き分けることが困難」という
症状が書いてあった。
残念ながら、今は何のどこの何についての記述だったか、
忘れてしまったが、
有ったのは本当だ。

日本の現在の制度の中の医療では取り扱われないことが、
いわゆる東洋医学であれば治療の対象として捉えることができる。
こういう事例は数多く有るが、
私の抱えてきた「ちょっと何言ってるかわからない」ということも
その一つであった。



「カクテルパーティー効果」という現象が有る。
ざわざわと人声の混じる中でも、自分の会話の相手の言葉は
きちんと聞き取れるものだよね、
という脳の情報処理の機能である。

この、「注意」を一点に絞るという部分の働きが弱いのではなかろうか。
そう考えてきた。



「聞き取れないのよ」と相手に説明しても、
なかなか理解してもらえない。
全部が聞こえないわけではないので、
聞こえた時にすかさず返事をしたら
「聞こえてんじゃん」と言われたことも有る。



カクテルパーティー効果の反対だから
「ギャクテルパーティー」とか、
滑舌が悪いのの反対だから
「滑耳が悪い」とか、
言ってみたが、
これじゃあ相手のほうが「ちょっと何言ってるかわからない」
となる。



それに、名前が付いた。
聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder)という。

昨日のアベマプライムで取り上げられたのだ。
当事者の笑歩(えふ)さんも出演している。

聞こえてはいるけれど、言葉として何と言っているか、
ところどころ受け止められない。
これこれ。これよ。
https://www.youtube.com/watch?v=8GLHiDftsMU



ゲストコメンテーターの一人が
「研究が進んで原因が分かると良い」と言っているが、
原因が分かっても実はそれだけではうまくいかない。
原因が分かればそこに働きかけて解決できるかというとそうでもない。

変えられない原因だった場合、こういう原因が有るからどうしてもこうなる、
ということを周囲も自分も判断しがちである。
対外的には「障害がある」「ならばこの仕事には向いていない」などのレッテル貼りという結果になったり、
自分の中では「こうだから私はこう」と症状に固執して軽減しにくくなってしまう働きが起きたりする。

医学的な研究と、症状を治めることは別々のことなのだ。
このゲストはこういったことに問題意識を持っているわけではないようなので、
「研究が進んで原因が分かると良い」とは、ただ良かれと思って言っている。

また、「周知されることを願う」とも言っている。
こちらはまったくその通りと思う。



私はこの動画を見始めて、
8分くらい、ゲストの笑歩さんが登場したところで
一旦、視聴をやめてしまった。
というのも、BGMが邪魔で、疲れてしまったからだ。
大事なテーマだから、言葉を聞き落とさないように聞こうとすると、
この作り方では非常に疲れてしまうのだ。

しかし、テーマがテーマなので「もしや」と思って、
後半のほうを見てみると、BGMが無い。
おっ。
探してみると、なんのこたあない、笑歩さんが最初にBGMについて言及したので、
司会者が言ってBGMを止めたのだ。
10分くらいのところである。

いやー、
音楽が止まってみると、
話がすんなり頭に入ってくる。
面白いほど楽である。

上に書いたような自分の体験していることや、
注意に関する考察などが、話題として登場する。



番組の中でも何度か言及されているが、
人によって、困っている事柄の種類や強度は様々である。
「発達の凹凸」という言葉で表現されている。

私としては、「凹凸」だと上下や高低という測り方に類する表現なので、
避けたほうが良い気がする。
色などの、どれを選んでも優劣に関わってこない語彙のほうが適切だろう。
なんでしょね、様々なものが有りながら、優劣に関わらないものって。
方角もいいかな?いや方角に優劣のイメージが伴っている文化も多そうだな。
なんか見つけたいな。

とにかく、まずは周知すること、
たくさんの人が実感していることだと知ることから始まるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=8GLHiDftsMU

短い放送時間なんだから、話題をあまり逸らすなよ、当事者にしゃべらせろと思った…
ら、
笑歩さんが「生放送で言えなかった部分の補足」動画を早速アップしている。
合わせてどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=dATP0183wbw
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