六本木の東京ミッドタウンホールで開催中の
北斎づくし展に行ってきた。
みどころは北斎漫画も富嶽三十六景も富嶽百景も
全図展示する、というところだ。
というわけで、
量が多かった!!!
3時間はゆうにかかる。
心して行ったほうがいい。
※
よく描くなあ。
流行作家として、儲かっていたのだろうか。
どんな暮らしぶりだったのだろう。
『北斎漫画』は今で言ったら図案集のような内容で、
ページを開くと、とにかくたくさんの絵が詰まっている。
大きさは、そうだな、教科書くらいである。
大きいものも、そのページに詰め込む。
大きな屋根も、ぶった切って折り返せば入るのである。
うまいことやっている。
ページごとに絵柄のテーマが有る。
見開きにとにかく図案を詰め込んでいる。
鯨、ふか(サメ)、さかまた(シャチ)、わにざめ(?)
と大型の魚類(魚の類)が描かれる間に、
このしろ、かます、あおりいか、いわし、あなご
などが隙間を埋め尽くしている。
チョイスがよく分からんけど。
※
今回、知ってしまったこと。
永坂更科のそばつゆに用いられている、
二人の男が蕎麦を食っている図であるが、
「素麺」
と題が書いてある。
蕎麦じゃないじゃん!!
※
「静かにご鑑賞ください」とかなんとか貼紙がしてある中、
私が腹を抱えてゲラゲラ笑ってしまったのが、この絵。
「豊年」
小判がジャラジャラ降る中を、
蓑笠を着けた人物が歩いている。
実に幸せそうな笑みを浮かべている。
そりゃあこんだけ銭が降って来りゃあ、余裕で笑みもこぼれるってもんだ。
銭に溺れちゃあいけねえってんで雨具を着ているのか?
あははは。
毎日、雨の中、犬にウンチをさせるために散歩に出るので合羽を着込んでいるが、
一度は銭よけに着てみたいもんだよ。
※
という北斎漫画の部屋でかなりの体力を費やす。
でーもまーだまーだつーづくーのよーー
※
3年半ほど前に、市民講座で木版画をやるというので、参加した。
詳しく書こうと思ったらたいへんなので後回しにしていたら書いていないのだが。
その時、講師の先生が「手に入ったので」と用意してくれたのが、
『富嶽三十六景』の版木だった。
たしか、24名の参加者を二人一組に分けて、それぞれに割り当てられた版木を使い、
みんなで12の図を刷ったのではなかったか。
できあがった版画を、取り換えっこしたので、
手元にいくつかのナマ版画が有る。
刷りは素人だが。
だから、いくつかの絵はとても親しみが有る。
一方、『富嶽百景』をこれだけまとめて見たのは初めてだった。
富士をいかにフレームに収めるか、
その構図に意匠を凝らしているのが面白い。
見飽きねえな。
※
図録が振るっていた。
新聞サイズのを筒に丸めて販売している。
面白い。
フツーの大判の図書ではないのである。
企画者も印刷会社も作り甲斐が有ったのではないだろうか。
物語の挿絵の派手な場面を、
見開きにドーンと刷ってある。
アイディアも印刷も面白いんだけど、
実物より拡大しちゃうのはどうかと思った。
サイズが小さいのは、この絵が庶民のためのものである故だと言えるだろう。
江戸の町人が楽しんだ、身近なものだということから
拡大することでちょっと逸脱してしまう気がする。
タブロイド判だったらちょうど良かったかも。
新聞としても、より庶民的なものになるし。
※
9月17日(金)まで。
日時指定券を販売中。
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