20年くらい前、三十代前半のこと。
バナナチップスをモリモリバリバリ食べていたら、
やけに硬い歯ごたえでガリガリとした感触になってきた。
おかしい!と思って噛むのをやめた。
口から出してみると、
細かくなったバナナチップスに、砕けた歯がバラバラと混じっていた。
弱っていた歯がバナナチップスの硬さに負けて
割れてしまったのだ。
※
毎月一日に法螺を吹いている。
書いていることは嘘っぱちである。
歯のかぶせものが外れたからって、
ルーターで古い接着剤を削り落としたり、
いくら色んな種類の接着剤を貰って持っているからって、
そっから選んでくっ付けてみたり
しない。
そんな無茶しません。
※
もし無医村に住んでいたら。
もし戦火の中だったら。
もし、もしと考えたら
無茶とも言い切れないとも思う。
実際、
とんでもなく感染力の強いウイルスが流行していたら、
歯科にかかるのは非現実的な選択になる。
※
技工士さんか助手さんか衛生士さんか、
詳しいことは私には分からない。
その分からない誰かが、まず
外れてしまったかぶせ物に着いている古い接着剤を
きれいに洗浄してくれた。
そして、歯科医師が歯の側をチェックして、問題無いので
かぶせ物を接着し直してくれた。
どちらもなかなか難しい作業だと感じた。
※
「今日は外れたものをくっ付けただけなんですけど、
前回の診療から6ヶ月以上経っているので、
初診料がかかっちゃうんで、
千円以上になってしまいます。」
と、先生がひどく申し訳なさそうに言う。
ななな何をおっしゃいますか。
二人の人が専門技術を注いでくれて、
3割負担でも千円なら安いもんでございます。
※
調子に乗って、岩おこしを買った。
江戸の名物「雷おこし」よりも、
大阪名物「粟おこし」が好きで、
更に「岩おこし」が好物である。
生姜が利いていてよろしい。
冷蔵庫にしまう。
ただでさえ硬いのだが、湿気ると更にガッチガチになる。
お菓子を超えた何かに使えそうなくらい硬くなる。
自分の歯を自分で咬み合わせて傷めている中、
おこしで歯を割りたくない。
けど好き〜
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