いい男祭りである。
北斎役は柳楽優弥と田中泯のダブル主演。
版元蔦屋の主人は阿部寛。
武士であり戯作者である柳亭種彦は永山瑛太。(昔の瑛太ね
吉原で女を描く北川歌麿は玉木宏。
滝沢馬琴の辻本祐樹は地味だけどつるんとした醤油系男子。
部下である種彦に死を命じるのは津田寛治、この人も苦み走ったいい男だよね。
と、いうわけで、
この作品の監督さんである橋本一さんはもしかしてホモですか?
…外国映画だといい男を上手に使うのはたいていホモなんですが。
まあそれはいいとして、
とにかく男優さんの使い方がうまい!
映画見てほしいけども、特に
「本当は舞踏家なんです」の田中泯に、きちんと舞踏をさせた監督さんは
たぶんワシが見た映画ではこの人だけではないか?
ベロ藍と呼ばれる、ほら、富岳三十六景(実は47枚あるんだってね)の青色。
あれが手にはいったとき、絵具(当時は岩を砕いた粉)をもって
土砂降りの雨の中、顔の上にかかげて全身(舌まで)藍色に染まって踊る。
「藍って毒じゃなかったっけ?」とちらっと思うけれども、
この色が使える喜びにもう何も見えてない北斎の心が伝わるシーン。
あれは田中泯じゃないとできなかったですね。
女は、北斎の奥さんと娘で絵描きのお栄さんと、遊郭の遊女しか出てこない。
ぜーんぶ添え物で、いないと困るけどあまり印象に残らない。
特にお栄役の人、台詞がぜんぜん聞こえなくてこまりました。
重要な役なんですけどいったいどうしたのよ?
…と思ったら女優さんじゃない、企画、脚本の人なのね。
そっち方面じゃいい仕事してるし美人だけど、お栄にはちょっと向かなかったな。
その辺も「いいよあんたがやれば」的なものを感じて、
「監督さん、男優さん以外はどうでもいいと思ってる?」っていう
ホモ疑惑を深めるものを感じてしまうわけです。
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