しゃれ、秀句、もじり、かすり、口合、地口、語呂といった、日本語のことば遊びの歴史についての本を読んでいる。
そもそも和歌の掛詞(かけことば)がそうだけど、民謡もしゃれが満載で、しかもその多くがしっかり下ネタなところは、決してブルーズに後れをとらない。
江戸の戯作者の式亭三馬が、「こんな歌が流行っている」と日記に書き付けていたという尻取り地口。
この手法って、漫才で昔から定番になってたよね。
いまでも、尻取りというほどではなくても、ぼけの手法として、使われることもあるんじゃないかな。
<番頭舟漕ぐそりゃ船頭(せんど)
せんどは撞木杖そりゃ検校(けんぎょ)
けんぎょは池にすむそりゃ金魚
金魚食(く)や若うなるそりゃ人魚
にんぎょ月並みに会所で押すのがそりゃ印形(いんぎょ)
いんぎょ楽なものそりゃ隠居
隠居ゑろうするそら腎虚(じんきょ)
腎虚寺でたくそりゃ沈香(じんこ)
ぢんこは金山ふもとそりゃ金海鼠(きんこ)
きんこ大きうなったり小(ちい)さうなったりそりゃちんこ>
ご多分に漏れず、これも下(しも)に落ちる。 あ、キンコはナマコの一種です。
”金魚食(く)や若うなるそりゃ人魚”については、沙村広明せんせの『無限の住人』や、高橋留美子せんせの人魚シリーズで研究してみてください。
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