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2021年05月30日00:00

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逆光するサスペンス小説&韓流ドラマ

写真は順に
*ジェフリー・ディーヴァー著「オクトーバー・リスト」表紙(文春文庫)
*韓国ドラマ「ボイス〜112の奇跡〜」公式HPより引用

「オクトーバーリスト」
本編もあとがきも読みにくいったらない。
本書は最終章から始まり逆向き進行する小説だからだ。
やってくれたな、ディーヴァーさんよ。
どんでん返しの神様と呼ばれるだけではご不満ですか。
そんなチャレンジしないで普通に読ませてくれよ。
速読の雄ならまだしも、私のように遅読な読書人は長編を読むのに1週間以上かかるのも常、そんな輩が逆行スタイルの小説を読むと最初に読んだ「最終章」に何が書かれていたかなんて忘却の彼方だし、しかも、当たり前だがいかにも「最終章」な書かれ方がされていない本書の始まりの章である…ああ、もう、説明がややこしいなあせあせ(飛び散る汗)
とにかく読み慣れるのに時間がかかる。
いや、最後まで慣れなかったと言ってもいいくらいだ。
いい感じで読み進んでも、続く章は読んだ章の過去の時間軸なんだから。
そして一番最後に第1章を読み終わって、確認のため再び冒頭の最終章を再読するわけで…。
あとがきは小説家の阿津川辰海氏。
ご丁寧にあとがきに当たる「日本語版への序文」でも逆向きで書かれている。
ふざけんな、そして「序文」において本書を踏襲する構成にしたことで悦に入るな!


「ボイス〜112の奇跡〜」が大変面白い。
日本でリメイクされたドラマ「ボイス110」を昨年放送していたが、本家の方が段違いに面白い。

シーズン1は日本でリメイクされたものと同じ内容だと思ってシーズン2から見始めたが、私の知ってる日本版のシーズン1と話がつながらない。
仕方無しに本家・韓国のシーズン1から見直したら、なんとexclamation内容が濃くて素晴らしいじゃないか。

日本版は、作るにあたって元ネタをだいぶ端折ったようだ。
日本のTVドラマ放送における縛りも濃厚に影響しているのだろう。
日本だと1クールが3ヶ月くらいか。
毎週放映しても12エピソード。
しかしアメリカや韓国の人気ドラマは、一般に1シーズン16エピソードある。
さらに放送時間がCM無しで60分近くある。
日本の場合は概ね54分枠で放送していて、CMが入るので実質45分くらいじゃないだろうか。
したがってリメイクしても全エピソードを放送出来ない。
影響がない程度にエピソードをいくつか削らなくてはならない。
しかし物語の辻褄を合わせないといけない、通底するテーマは追わなければならない。
12週でサクサク進むよう、端折って調整するしかない。

つまり、いろんな面で物分かりの良すぎる、あるいは事物への理解の早すぎる頭の良い登場人物たちの出来上がりだ。
日本で12エピソードで完結する物語を、本家のドラマで16エピソード観ると、登場人物の厚みが断然違ってくるのは当たり前だ。

日本のドラマは物語性とかキャラクターの厚みという点で、完全にアメリカや韓国のドラマに負けている。
NHKの大河ドラマや朝ドラほど長期でなくて良いから、リメイクするならせめてもっと丁寧なドラマ作りに徹してもらいたい。

それにしても、ドラマはなんで1クール3ヶ月と決まってるのだ?
くだらない商習慣など、撤廃してもらいたいところだ。
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