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2021年05月22日17:39

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面白いミステリー(洋書)のコレクターに(1)

最近話題のリチャード・オズマンのThursday Murder Clubが出版後8ヶ月で850ドルに値上がりしているのを知っていますか。
高級老人ホームを舞台にした老人たちが殺人事件を捜査する、本当に面白くて笑える本です。大ベストセラーになり、いまだに売れ続けているのです。

驚くことにはその本の人気でサイン本が爆発的な高騰を見せているのです。
GB版限定(ナンバー入り)サイン本が850ドル、サイン本が350ドル以上なのです。
(GB限定本は3,750円、航空便ハンドリング料1,000円余りです)
9月に出るシリーズの2作目The Man Who died Twiceは既に英米ともで予約完売なのです。2作目のほうがより評判がいいのです。(ついには新作の限定版が1000部追加出版されるのです)

昨年8月にはアンソニーホロヴィッツのMoonflower Murderが出版され人気になりました。NYTベストセラーにもなりました。でも市場ではサイン本が$100あまり、その人気がどんなに凄いものか分かるでしょう。

いま英国で横溝のHonjin Murdersが人気なのです。Honkaku Novelとはいいですね。
横山秀夫の64(サイン本)も£250で市場に出ています。漢字で縦書きのサイン、印鑑があり、翻訳者のサインもあります。

こんなことが起きるから面白いのです。新作ミステリーを先取りして読み、面白いミステリーを探しだした喜びを感じるのが嬉しいのです。そして、初版初刷を所蔵するのが本好きの醍醐味かもしれません。
私もいつかそんな仲間になったようです。
面白くても現在の日本では新作の翻訳はめったにありません。発売部数が期待できないため翻訳権が高くつくのです。とても1万部も出ないのです。ですから、著作権の切れた古い作品でお茶を濁しているのです。

特に英米はミステリーの宝庫ですし、たくさん出版されます。英語ですから世界中に読者がいて、読者も多く面白い本を狙っています。
人気の初版サイン本には多くのフアンがついています。

米国では限定本は非常に少なくなりました。しかしジョン・グリシャムはずっと$250の革表紙の限定版が発行されています。以前はディーン・クンツが$1,500、$500、マイクル・コナリーやクライブ・カスラーも$500で出ていましたが、もう景気も悪く売れないのでしょうか。
日本と違い英米では、ミステリー専門店や、サイン本専門店があり、フアンが多いのです。
ですから、古い本にも愛好者が沢山いるのです。

貴方が何気なく買い取りに出すHC, ペーパーバックにも驚くほどのお宝があって、買取価格の100倍で売られていることが普通にあります。それを知って残念がっても遅いのです。
日本では紙屑扱いの本が高価な値段では海外では取引されています。

有名ベストセラー作家なら、20年以上前のHCが2千ドルは当たり前なのです。
例えば、マイクル・コナリー、ロバート・クレイス、ハーラン・コーベン、イアン・ランキン、クライブ・カスラー、スー・グラフトン、ジョン・サンドフォード、ジェームス・リー・バーク等なども。機会があれば、Abebooks等の市場価格を調べてみたらお分かりになるでしょう。
もちろんチャンドラー、スピレーン等は当然もっと高いのです。


ペーパーバック(PB)ですらも20倍なんてざらにあります。
(本の保存状態、ジャケットなどの状態にもよります)

ジェームス・グラディのPB「コンドルの6日間」も275ドルで売られてます。
リチャード・S・プラザー、カーターブラウン等の有名作家なら150ドル以上です。
1950年以降のペーパーバックのGold Medalは世界中にフアンがいるのです。
例えばミッキー・スピレーンのデビュー40周年記念版One Lonely Night(PB)が1,000ドル以上です。
(35年以上前に買い保存の新品です)

面白いミステリーなら、10倍、20倍なんて当たり前に上がります。
ミステリーの新作はHC出版され、その後ペーパーバックが出ます。
それ以後はその本のHCが出版されることはまずありません。
ベストセラー作家の20、30周年記念でデビュー作再版が出ることがあるくらいです。
ペーパーも再版されることは珍しいと考えてください。だから、ペーパーバックの古いものでも状態が良ければ、高くなります。
映画化され、主役の写真入りペーパーバックは高くなります。トム・クルーズの「法律事務所」のPBはHCと同じ人気なのです。
  
その一つの要因は「本は書店の買い取り」にあります。ですから、日本の書店みたいに売れないと返本が出来ません。
それで、売れる本を仕入れることが絶対条件なのです。売れなければバナナのたたき売り同然で売るしかないのです。
本屋さんは売れる本だけを仕入れるのです。人気が出れば、定価以上で売ればいいのです。

本が売れなくなり小さな書店が倒産しかけたころ、スティーブン・キングが大型バイクに乗り、全米の小さな本屋さんを回り、自分の売れ残りの本にサインをしました。
するとその本は10倍くらいで即売になったのです。彼は売れない頃からの書店の支えがあるから今日があるといったのです。
ディーン・クンツはLAのホテルの一室を借り切り、小売店に自分の本にサインするので来てほしいと呼びかけたのです。
ダン・ブラウンも倒産寸前のペンズラーの書店でサインし、$100以上で即売しました。
そうして作家が本屋さんをサポートしたのです。

しかし通常は、サインは「新本の出版時しか作者はサインをしません」。
その後は古い本にサインするのを断ります。サインも年々変わります、自然に。

フレデリック・フォーサイスは米国のサイン会に来られず、翌年NYに来た時、翌年の年号を入れてサインしてくれました。その旨の本屋さんからのメールも来ました。

作者はサインもペン、ボールペン、マーカーで書いたりカラーを変えたりします。
サインのほかに何月日とか「いたずら書き」や、イラストを書いたりします。すると
値打ちが上がります。「いたずら書き」のあるサイン本と表示されて売られています。

ただし、「誰誰さんへ」は値段が下がります。有名人宛なら別ですが。サインだけでいいのです。

もしあなたが英語でミステリーをお読みになるのでしたら、宝の山は目の前にあります。
面白い本を見つける眼力さえあれば、お宝は沢山あります。
もちろん読書力もいりますが、話せなくとも文字を読む理解力があれば、いいのです。
面白い本の情報をネットで調べ、有名作家のサイトで作家が面白いと賛辞しているのを探し、面白いと思うのを読めばいいのです。

批評家や、Publisher‘sWeeklyなどの専門家はARCを読み、本の評価をします。それで本屋さんもARCを読み仕入れ部数を決めるのです。そこから出版社も初版部数を決めるのです。
今までですと、デビュー作は二万五千部が普通でした。評判が良ければ、2版、3版と増刷されます。売れてくると予約が増え、初版部数が増えるのです。
(すると、初版初刷りが市場で値段が高くなるのは明らかです)
ベストセラー作家になり初版が10万部以上になります。するとジャケットのタイトル、作家名が浮き文字になっていますから、触れば分かります。ジャケットも一流の専門家が担当します。担当編集者も給料が上がり、作家が出版社を移動するときは担当者も移動することもあります。担当者が変わり売り上げが上がることもよくあります。

それらを確認して好きな本を買えば、本を読んでなお楽しいご利益があるわけです。
デビュー作は部数が少ないですがサイン本を買えば、作家の人気次第で$1,000以上は固いのです。10年、20年たてば、初版も少なくなり、サイン本なお少なくお宝になります。

1頁に2単語くらい辞書を引く程度なら、美本のまま読み終えられますから最高です。ぜひ、HCの初版、初刷を買うべきです。(サイン入りであればなお良い)

ハードカバー(Hard Cover, HardBack)を読んでも頁、本にシミを付けたり折れたりすることもないと思います。本の束が崩れないでしょうから。
本を傷めない、しわを付けない、書き込みをしないなどは大事なことです。

好きな作家でベストセラーなら「黙って買いなさい」と言われました。読まなくても美本で保存してれば、すぐに10倍になります。ジェフ・リンゼーのデクスター(TV映画化)もすぐに250ドル以上になりました。ドン・ウインズロ―も250ドル以上です。
(最も、映画Red Sparrowの原作サイン本は面白くなく、ゴミとして捨てたら、市場で$200でした。知り合いに差し上げたジャネット・イバノヴィッチサイン本初版は現在$2,000です)

本のジャケットは「絶対に手垢や、指紋を付けない」ことが大事なのです。
サイン本専門店で本を買うと、ジャケットをセロハンでラッピングし新品のまま20年経過しても新品のまま保てます。ジャケットがビンテージ本の命です。
サイン本や美本を買うマニアは専門店で買います。
そうすれば本の紙が20年を経過しても新本のままです。中には紙の質です日焼けするものもありますが、そのほかが新本並みならいいのです。それが自然です。
でもジャッケトは新品、手垢一つない状態で保存することです。

ジョン・グリシャムCamino Island(グレート・ギャッビーを追って:村上春樹翻訳)を読まれた方なら、サイン会の様子やビンテージな初版本、サイン本の値上がり等がお分かりになると思います。1990年代からサイン本人気が生まれたのです。作家もサイン会に出てきて売り上げを考え出したのです。売り上げが増えれば、契約が高くなるからです。そのころから、私もサイン本を買うようになったのです。
(お暇なときに私の「ジョン・グリシャムCamino Islandを読んだ」をグッグってみてください。)

アメリカでは1990年ごろからサイン本がブームになりました。本好きの多い英国でも同じことが起きています。グリシャムの本にそのことが書かれています)

アメリカにはサイン本専門店もありますし、大手のBurnes&Noblesでも定価でサイン本は手に入ります。(米国は航空便の値段が少し高いです。)
英国でも専門店のほかにWaterstonesやFoylesでもサイン本は買えます。英国なら定価から数ポンド値引きで買えます。(送料、ハンドリング料も安い)

また、次の機会に本の状態、初版の見分け方、どのジャンル、作家が人気か、本の値踏みなどに触れてみたいと思います。

ただ、ミステリーが好きで読み続けてきて感じた儘を書いたもので、素人の事ですから誤りがあればご容赦ください。
65年間も英語のミステリーを楽しく読んできた老人のたわごとです。
ではまたの機会に 
「PPでも、GBでもサイン本専門店はサイン本は購入所蔵すればペイする」というのが売りです。個人的にはそう思います。
  
Thursday Murder Club 2作目The Man who died Twice(9月出版)はきっと大ベストセラーになります。注目してください。


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