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2021年04月23日07:38

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ピアノ・フォルテ・ピアノ・・・センチュリー・ハイドン・マラソン

今日は、ピアノが一番。

大阪 ザ ・シンフォニーホール
センチュリー ハイドンマラソン HM.23「エステルハージ家初期」
飯森範親指揮 日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 松浦奈々)
ピアノ独奏 三原未紗子
ハイドン:交響曲 第3番 ト長調 Hob.I:3
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11
ハイドン:交響曲 第15番 二長調 Hob.I:15
ハイドン:交響曲 第5番 イ長調 Hob.I:5

初期の20代の作品を並べた、正直に言ってしまえば埋め草のようなプログラム。編成も最後までずっと、6型の弦にオーボエ・ホルン2本とチェンバロ-ファゴット1の通奏低音が加わる最小編成(それでも、当時の12人編成よりは多いようだが)。

いつもなら、最後の曲で8型に拡大して響きがふわっと豊かになるのを肌で感じ、幸せな気分になるのだが、今日はそれがない。それぞれの曲には、それぞれの魅力があって(3番四楽章のジュピター主題出現のワクワク感、15番ニ楽章トリオのチェロ・ヴィオラ独奏の音色の素晴らしさ、5番四楽章の快速上行パッセージの繰り返しが生む高揚感など)、それを松浦コンマスのコントロールで聴くことは至福の時間ではあるが、これだけでは正直食い足りなかったかもしれない。

だから、「演奏会」を聞いたなあ、という満足感は、主に今日のピアノによるところ大。6型オケの前にスタインウェイのフルコンサートがしずしずと登場した時には、大丈夫かいな、と思ったのだが・・・これが、自分の不明を恥じることになる。

このピアニストに特有なのか、それともプロのピアニストならみんなこんなことができるのか・・・明晰なタッチと絶妙のペダリングが生むのは、まるで音符のひとつひとつが水滴のように弾ける音。唖然とするくらい混濁することがない。その響きのなんとチャーミングで魅力的なことだろう!

わざわざフォルテ・ピアノを用意しなくともいいんだなあ・・モダンピアノとモダンオケが古楽を「プレイ」している様、これぞ「プロフェッショナル」ですな。いや、いいもの聞かせてもらいました。

あまりのプログラムの渋さゆえ、決して入りがいいとは言えなかったが、逆に言えば、今日聞きに来た聴衆は「鉄板」・「コア」揺るぎなし。会場の雰囲気は上々。これからまた1年、ご一緒できることが楽しみになりました。


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