ああ演奏会を聞いた、という満足感。
西宮 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
京都市交響楽団 兵庫特別公演
広上淳一指揮 京都市交響楽団
(コンサートマスター 泉原隆)
ヴァイオリン独奏 金川真弓
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
マーラー:交響曲 第5番嬰ハ短調
(アンコール R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」から 月光の音楽)
5番は四楽章が秀逸。世紀末的にとろけ落ちるような濃厚な音楽。これに端的に現れていたけれど、最初から最後まで「ザッツ後期ロマン派」とでもいうべき抜群の演奏効果。かと言って、決してぐずぐずに崩れているわけでなく、カチッとした構成感も充分。広上さんらしいなあ。不満があるとすれば三楽章。もう少し早めにテンポをとって、スケルツォ感を感じさせてもらいたかったけど、まあ贅沢な感想ですね。
前半のコンチェルトは、ソリストの力量がもう一声。テンポ感が安定せず、付けている京響が若干苦労している印象。メンデルスゾーンは、なかなか一筋縄ではいきません。
7割以上埋まったと思しき会場は、京響定期以上の「演奏会」感。最後の和音が鳴った後の拍手の熱さが、なによりもグッときました。広上さんの「たくさんのお客さんに来てもらって」という言葉、「こんな時ですが、もっと演奏会に来てください!」という言葉。その後のアンコールの音楽(素晴らしいホルン!)に身を任せる会場の温かさ。
この時間、生きている、って思える・・演奏会って、いいな、やっぱり。
また、広上さんのコンサートに行こう。そこまで、頑張って生きよう。どんなに世界がねじ曲がっても。
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