今朝のワシントン・ポスト紙 coronavirus updates より

１）ワクチンがコロナウイルスの蔓延を防ぐのに有効であることが証明されたとして、CDC （米国疾病予防管理センター）は２回目のワクチン接種を受けた人たちは、旅行へ行っても良いとして、今までの規制の変更を発表した。

連邦保健局も、ワクチン接種者が１億人を超え、ワクチンの有効性が証明されたとして、接種完了者の旅行禁止令を撤廃すると発表している。ＣＤＣは、ワクチン接種
が毎日３百万人に達し、接種者累計が１億人をこえており、ウイルスの感染と拡散を防止するのに有効であることが証明されたとして、ワクチン接種を終えた人に対する、従来の旅行制限の解除を決めたと語っている。金曜日にこの声明が出るまでは、ワクチン接種完了者に対しても旅行を控えるよう勧告していたものである。

２）その一方で、CDCはワクチン接種完了者は確かに感染リスクは低くなったが、アメリカや世界各地での感染拡大傾向をみると、まだ旅行は余り勧められないのも事実だと語っている。

長い間待ち望まれていたこの旅行規制解除は、長い間家族や友人を訪問するのを禁じられてきたワクチン接種を終えた大人たちにとっては歓迎すべきニュースである。また、このニュースは、長い間規制解除を待ち望んでいた、旅行会社や航空業界にとっても嬉しいニュースである。

３）その一方で、金曜日のホワイトハウスでの記者会見で、CDCのワレンスキー理事は、二度目の接種を終えた人たちは、自分達への感染のリスクは減少したのは確かだが、それでも、全面的な旅行解禁には賛成できないと語っている。CDCはワクチン接種完了者たちの旅行を奨励している訳ではないと語った。科学は複雑であり、パンデイックは流動的で、それに合わせた適切な指針を示して行く所存でおり、まだ多くの国民が二回目のワクチン接種を終えておらず、この人たちはまだウイルス拡散のリスクを残しているのも事実だ、とつけ加えている。CDCは今後も、その時に応じた忠告を市民に送るつもりで、その中の一つには依然マスクの着用の重要性が入っていると語っている。

４）いずれにせよ、国内旅行に関する限り、２回目の接種を完了してから２週間以上経った人は、規制から解除され、旅行の前も後もPCR検査の必要は無くなり、自己隔離の必要もなくなった。要するに、２回目のワクチン接種を済ませた祖父は何の規制も受けずに、旅客機に乗って健康な孫に自由に会いに行けるということだ。それでも勿論、旅客機や列車、バスなどの公共交通機関内でのマスク着用などの義務は履行せねばならない。また、海外旅行の場合は、訪問国の規制がある場合を除いては、出発前のPCR検査の必要はなくなったが、帰国に際しては、搭乗前に検査を受けて陰性であることを確認する必要がある。更に帰国の三日から五日の間に検査を受ける必要がある。

今や全成人の４０％以上が一回目のワクチン接種を済ませており、半数以上のシニアーが２度目の接種も完了している。１回目の接種を受けたアメリカ人は１億人の大台を超えた。だが、２度目の接種を終えた人たちでも、マスクの着用など、一般的な注意事項は守らねばならない。

CDCの発表みよれば、最初の指針発表の３月８日以来、２度目のワクチン接種完了者は約２倍の５,６００万人を超え、全人口の１７％に当たる。４千人の医療従事者と老人施設従事者を調査した結果、ファイザー・バイオテック社とモデルナ社のワクチンが、一回目の接種の２週間後で８０％以上の感染防止効果が確認できたとCDCが発表している。

５）ファイザー社とバイオテック社は同社のワクチンが１２歳の子どもにも無害且つ有効であることが証明されたと発表している。１２歳から１５歳の2,300人の若年者に対するワクチン効果テストの結果が近くFDAへ提出される予定だ。FDAの承認が出れば、新学期が始まる前に子どもたちへのワクチン接種が行われる予定だ。同社のワクチンは先日16歳以上の青少年に対するFDAの承認を得ている。

なお、同社のワクチンはB.1.351と呼ばれる南ア型変異種ウイルスにも有効であることが証明された。

6）ワクチン接種前の人たちの旅行に対する指針では、依然として、国内旅行でも出発の１日から３日前までに検査を受けねばならず、旅行から帰宅後も三日から五日の間に検査を受けることを求められている。７日間は自主隔離を求められており、もし検査を受けなければ、１０日間の自主隔離が必要である。
新たに発表されたワクチン接種者にたいする旅行制限の解除により、航空各社はいずれもパンデミック発生以来最高の成績を上げている。

7）運輸安全局の発表によれば、３月に入って国内航空の利用者が１００万人を超えた日は26日に及んだ。この数字は2019年の一日当り２百万人を超えた記録に比べれば、まだ低いが、昨年に比較すれば数段の進歩である。国内航空の規制緩和に加えて、航空各社はCDCし対して、海外からの旅行者に対する規制緩和も要求している。

8）バイデン政権は一月にブラジル、英国、アイルランドの他、欧州の２６カ国からの旅行者入国を規制した。
更に南アも規制リストに追加した。変異ウイルス拡散防止を狙ったものである。

9）アメリカに於ける新型コロナウイルス関連死者数は554,000人に達し、累計感染者数は30,566,000人を超えた。