今朝のワシントン・ポスト紙 Coronavirus Updatesより

１）製薬会社大手のMerck社が、先日FDAの承認を受けたJ&J社のワクチンを自社の工場でも生産を開始して、J&Jのワクチンの増産に参加すると発表。この動きで、一回接種型のJ&J社ワクチンの生産を倍増出来ることになるようだ。だが、Merck社による増産の実現には数か月掛かりそうだ。

２）本来なら競争相手である両社のワクチン増産に向けたこの協力については、この火曜日にバイデン大統領が公式に発表する予定だ。大統領はこの増産協力に対して、国防生産法（1950年に制定された、緊急時に政府が産業界を直接的に統制できる権限を付与する法律）を適用すると言われている。なお、Merck社は当初自社でワクチンの開発を進めていたが、途中で問題が起こり挫折したといわれている。

先行するファイザーとバイオテック両社のワクチンは数週間の間を置いて二回目の接種をする必要がある。両社のワクチン供給が思う様に進んでいない現状では、先ず、一回目の接種を優先すべきとの声が議員の間で起こっている現状だ。

３）新型コロナウイルスの感染者数は、ここ数週間、世界的に減少傾向にあるが、国連のWHOは、ここ数日は再び感染が拡大してきていると警告を発している。その原因には、各国での感染防止対策が緩み始めていて、庶民が警戒を怠り出したところへ、変異種が拡散したことが指摘されている、とWHOの理事長が警告している。

４）保健当局者たちが、感染力が強化された変種が発生しているとの警告を無視して、テキサス州ではマスク着用の規制を緩和すると発表している。同州の感染者の減少傾向は今週になってストップした形で、再び感染者の増加が始まっている。それにも拘わらず、共和党出身のグレッグ・アボット知事は「テキサスは100％規制に縛られない州になる」とツイートする始末だ。

更に、共和党出身のテイト・リーヴスミシシッピー州知事も「感染者数は激減し、入院患者も急減している」と称して、、マスク着用命令を撤回すると発表している。

５）アメリカの新型コロナウイルス関連の死者は51万5千人に達し、感染者累計は2,862万8千人にのぼっている。