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2021年02月27日16:47

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今蘇る伊福部交響楽の系譜・・・センチュリー特別演奏会「獺祭」

これは実は得難い経験かも。

豊中(大阪) 豊中市立芸術文化センター大ホール
交響曲 獺祭 〜磨migaki〜 五感で味わうコンサート
飯森範親指揮 日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 荒井英治)
和田 薫:祝響 〜日本センチュリー交響楽団のためのファンファーレ〜
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 作品68「田園」
和田 薫:交響曲 獺祭 〜磨migaki〜(委嘱作品、世界初演)
(アンコール)
宮川彬良編曲:「ふるさと」

作曲家と委嘱者会長に豊中・吹田両市長来席、満席半分の制限キャパをほぼ埋める客席、ホワイエで「磨」を買い求める長蛇の列、と祝祭感満載の会場で初演された交響曲は、一言で言えば「洗練された伊福部交響曲」。

「もののけ姫」か、というような嫋々たる旋律で開始された第1楽章に続く第2楽章「発酵」が、最も魅力的。遠い記憶の中の神楽の響きに繋がる繊細な響きに心が震える。

間奏曲的な第3楽章を経て到達する第4楽章「熟成」の変拍子オスティナートの中に、芥川也寸志のトリプティークのエコーを聞いていたぐすたふくん、第5楽章に至ってその伊福部ぶりに瞠目することになる。ヤマト土俗的な打楽器の響きと、執拗に繰り返される日本風の短いモティーフ、そしてそれらがモダンな色彩の響きで装飾されつつ、祭りの熱狂へと一気に上り詰めていく。

伊福部交響楽の懐かしさと今風の絶妙な混淆・・・グッときますねえ。これこそ、僕たちゴジラ世代の琴線に触れるシンフォニーだよなあ・・・こういう曲が聴きたいって思ってた僕みたいな人は、決して少なくはないと思います。特に最後なんて、「地球防衛軍」や「怪獣大戦争」マーチを凌駕せんばかりの高揚感。

和田さんがゴジラのスクリーンコンサートの仕掛け人で、CDが出ていることは知っていたが、ご本人作曲のオリジナルを聞くのは今回が初めて。この曲、機会音楽で終わらせるのは惜しいです。「田園」なんかより芥川也寸志や伊福部作品と組み合わせての再演を希望。レパートリーとしての定着を目指してもらいたいなあ。

ボレロのリズムに乗って奏でられるアキラ節満載の「ふるさと」も素敵なデザート。ここに来れて、幸せでした。

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