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2021年02月08日00:56

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チック・コリア「Return to forever」

新しいスピーカー「Airpulse A80」で、チック・コリアの
「Return to forever」を聴いた。
言わずと知れた名盤だが、久しぶりに聴いて、改めて感動した。
「現代の印象派」とも言うべき、色彩的な音色の美しさ。
特に3曲目の「What game shall we play today」の
親しみやすさ、懐かしさと、
ラストの大作「Sometime ago〜La fiesta」の熱狂と
クールな美しさの奇跡的な共存。
本当にすごいとしかいいようのない世界。

チック・コリアのエレピと、ジョー・ファレルの
フルートとソプラノサックスをメインに
女性ヴォーカルも加わり、わかり易さも兼ね備えて
70年代ジャズの最高の名盤だと思う。

このCDを聴くたびに、わずかな不満を感じるのは
「ソフト過ぎる音質」だ。
「La fiesta」など、相当熱いプレイの応酬なのに
音がソフト過ぎて、聴いていて熱くなれない。
ECMレーベルというのが、そういう、クールでソフトな
音楽が売りのところがあるが、「Return to forever」の
音世界は、そういう、イージーリスニング的なものでは
ないだろう。
(余談だが、スティーリー・ダンの「エイジャ」も
ドラムスなど、各パートを注意深く聴くと、かなり
激しいプレイなのだが、録音のせいで、メロウでソフトな
サウンドに変身しているのである。
70年代のポップス録音の流行みたいなものだろうか?)

小型スピーカー、A80で聴く「Return to forever」だが
各楽器の冴えた音色に感心したが、ソフトな音質への
不満は変わらなかった。
昔のJBL4344みたいな、ジャズ向きのスピーカーだと
自分の好みのアグレッシブな音質が得られるのだろうか?

アメリカのローリングストーン誌が選ぶ
「最も偉大なアルバム500」の2020年版に、なぜか
マイルス「カインドオブブルー」「ビッチェズブリュー」と
コルトレーン「至上の愛」が選ばれている。
ロックやポップスだけでは権威が弱いので、ジャズの
ビッグネームが選ばれているのかな?と、ひねくれた
見方をしてしまうのだが、
ロックやポップス、ヒップホップのアルバムの中で
マイルスやコルトレーンが混じっているのは
いかにも不自然、不可解だ。
これが「Return to forever」なら、ピッタリだと
思うのだが。
モダンジャズより洗練されたスタイルで、ヴォーカルも
入ってわかりやすい。
プログレッシブロックとの共通性も多くある。
ジャズファンのみならず、
「最も偉大なアルバム500」読者にも薦めたい名盤だ。

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