昨日聞きに行ったのだが、森さんの言葉から、その秘密の一旦を垣間見る思い。
京都(長岡京) 京都府長岡京記念文化会館
長岡京芸術劇場 長岡京室内アンサンブルコンサートツアー「空に飛びたくて」
音楽監督:森 悠子 長岡京室内アンサンブル
サン=ジョルジュ:シンフォニー・コンチェルタント ト長調
ウェーバー:クラリネット五重奏曲 変ロ長調
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調
アンコール
ボッケリーニ:「マドリードの夜警隊の行進」
この団体の足掛け25年の記念のコンサートツアー。残念ながら、東京公演は中止になったらしいが、今日の名古屋は公演行われるらしい。
ぐすたふくん、この団体は2回目。前回も、チャイセレがプログラムに入っていて、その異形とも言える響きに驚愕したのだが、基本的に今日もそれは同じ。
とにかくこのアンサンブルの音は、鳥の羽毛がふわあああっとふくらむが如くに暖かくて肌触りがいい。それが森さんの指導によるところなのは明らかなのだけれど、日本においてどうしてこんな音を?と思っていました。
それが今日仰ったことには、
「私は、桐朋にいる時、斉藤先生から、君フランスに行ってくれないか、そして、そこでボウイングを学んできてほしい、と言われたんです」「なぜか? それは、フランスのボウイングでなければでない音があるからなんです」「そのことは、説明するには、ものすごい時間が要ります。でも、ここにいる人たちはそれができる。」 「このアンサンブルは、「道場」です。これまでも、1年に一度みんな集まって、修練してきました。これから、このアンサンブルが始まってから生まれた人たちが入ってくる。それはこれまでと同じく、これからも、続いていくのです」
これが秘密だったんだ。
実は、僕はここにすごく古風な音を聞く。でも、いわゆるピリオド奏法とは違っている。フランス古楽の響きをモダンにした、という言葉にもできるが、リュートの響きにも通じるような気がする。ただ、どちらにも言えるのは、肉感的な感覚よりは、むしろ宗教的に魂に直接触れるような響きだということだ。
こんな団体が京都にあることに、僕は関西という文化のゆりかごを感じる。その邂逅に感謝。
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