学歴主義やその陰画は、人間をダメにする。

複雑な気分になりました。

複雑とは、文字通り、普通に「複雑だ」ということです。

箇条書きにしましょう。

１　３０ということは、それから片道出向などの可能性がある。
２　手取りがいくらになるかも問題。
３　慶応は伝統的に天才が出る（西脇順三郎、井筒俊彦）のに、メガバンクの行員などになることもないだろうに。
４　一流大学かそうでないかは、生活態度。むしろ、当然だ。
５　このランキングをみる人は、何と何とに因果関係を見出すだろうか？

少なくとも、東大や慶応に高収入をもたらす力があると考えるのは、まちがいです。東大や慶応に入るほど優秀だったから、当然、収入が高い職に就いたと考えるのが妥当でしょう。

…人生は、マラソンみたいなものです。
だから、早い時期にリードした人が、その後もリードする傾向にあるのは当然です。
特に、大学に入ってから逆転してやるというのは、甘すぎる考えです。

ペーパーバックを毎月数冊読ませる大学もあれば、ＡＢＣの書き取りから始める大学もあります。差がつくのは、当然です。
いわば、一流大学に入った人は、ローラースケートに乗ることが許されて、三流大学に入った人は、足に鉄の塊を付けられるようなものです。

しかし、同時に人生は例外になることではないでしょうか。
例外になるとは、自分になることです。
Ａ君という東大生がいたとします。Ａ君はＡ君であり、東大生というのは、属性の一つにすぎません。
また、東大生そのものという人は、当然ですが、この世にはいません。
属性とはそういうものに過ぎません（不動産業界でこの言葉が使われる場合、「支払い能力」という意味しかないそうです。）

年収☓万の男と、自分はイコールなのか…ということです。イコールに見える人は、娼婦でしょうね。娼婦は、客の個別の人生や内面を全く気にしないから、支払い能力が同じ男は、同じに見えてしまう。これならわかります。

だから、学歴主義の人は、娼婦にとってのカモみたいなものです。
…大学別の年収を気にしている時点で、実は、自分の人生を失っています。

また、「オレは、Ｆランクの☓☓大しか入れなかったが、根性と気合で…」などと言うひとも、同じです。学歴主義の陰画に過ぎないからです。そういう人は、往々にして、「三流大学」と「根性と気合」を対立的に捉えていますが、この考え方が悪い方向に進むと、「アイツは東大だからひ弱だ」などということになります。
実際は、「根性と気合」にかけたから、Ｆランクにしか受からなかったのでしょう。

■慶應は早稲田より70万円以上稼ぐ　「私大トップ10」の年収は？
(AERA dot. - 01月31日 08:05)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=6395920

そういえば、小学校の先生で、水前寺清子の歌の「…ボロは着てても心の錦。どんな花よりきれいだぜ」という歌詞が好きだという人がいました。子ども心にも、反発というより深い憐れみを感じました。この人は、ボロを着たくない、貧乏が嫌だからです。また、「心の錦」を誇る気持ちもわかりませんでした。たとえば、酒場で「私は心がきれいだ」と自画自賛する人が飲んでいたら、
そんな鼻持ちならないおかしなのと友達になりたいですか？？　

一流大だろうがＦランクだろうが、真剣に頑張っている人は、そんなことは考えません。目先のことで精いっぱいです。自分の心はどんな花よりきれいだなどという、アフォなことを考えないのと同じです。