正月明け、京都で購入したLPを聴いた。
○ストラヴィンスキー「春の祭典」
マルケヴィッチ/フィルハーモニア（米エンジェル）
○シューベルト 弦楽五重奏曲
カザルス（Vc）ヴェーグ（Vn）ほか
（米ターナバウト）
マルケヴィッチ/フィルハーモニアの春の祭典は
昔から東芝のセラフィム盤（廉価盤LP）を
愛聴してきた。
この曲の荒々しさを堪能できる演奏、録音で
初期ステレオとして十分な音質だったが
クライマックスで混濁するのが気になっていた。
プレーヤーのせいか？それともカートリッジか？
それが、今回アメリカ盤を聴いて驚いた。
音量レベルが国内盤よりはるかに高い。
そして、凄まじいクライマックスの中で
響きがまったく混濁しない。
それだけでなく、グランカッサ、ティンパニ、
タムタム等、打楽器の響きが
荒々しくも、実に美しいのだ。
これには参ってしまった。
1959年の初期ステレオ録音が
こんな見事な演奏、録音だったとは。
カートリッジも、常用のシュアーV15�犬�
十分な音質が得られた。
この演奏は、テスタメントから
CDが出ているが、
LPとは比較にならないほど、貧弱な音質だ。
しかし、それは、後々の録音を考えると
良かったのかもしれない。
この演奏が、アメリカ盤のクオリティで
CD化されたら
ゲルギエフだろうが、サロネンだろうが
ぜったいにかないっこないだろう。
カザルスほかのシューベルトは
オリジナルがオランダフィリップスで
どういういきさつでターナバウトから
出たのかわからないし、
やや高域の伸びが不足したが
それでも響きの分厚さ、力強さは
やはり抜群だ。
この演奏はライヴ録音だし、
カザルス晩年の録音なので、
アンサンブルの乱れはあるが、
演奏者の唸り声や
ライヴらしい熱いアンサンブルは
何度聴いても圧倒される。
当時、カザルスは85歳だったらしいが
本当にすごい人だ。
オーディオマニアだと、イギリス盤や
フランス盤に興味が行くのだろうが
アメリカ盤は安いし、
盤質さえ良ければなかなか面白いのでは
ないだろうか。
また近いうちに、アメリカ盤LPを買おうと思う。
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