今朝のワシントンポスト紙 Today’s Headlineより

１）トランプは直ちに大統領を辞任するか、或は国会への暴徒侵入を扇動した罪で弾劾裁判にかけられるか、の選択を迫られている。
民主党のペローシ下院議長は７日の会見で「１月６日の首都における暴動を扇動した罪でトランプ下院議会は大統領に対し弾劾裁判を起こすことを検討している」と語った。

トランプ大統領に対して、水曜日の首都で起こった暴動事件の責任を取って直ちに大統領を辞任すべきとの圧力が強まっている。一方議会においても、下院民主党から直ちにトランプ大統領に対して１月２０日に正式にホワイトハウスを離れる前に弾劾裁判を起こす動きが高まっている。下院民主党では、暴動を扇動し、合衆国と国会を危険に陥れたとしてトランプ大統領を強く非難する声明をだす模様だ。

２）巷でも、トランプの選挙における敗戦を認め、スムースな権力の移譲を望む声が上がっているが、
金曜日にはトランプがバイデン新大統領の就任式を欠席するとの噂が広がっている。
一方トランプ自身は周囲に対して、デモ隊に国会へ乱入するよう扇動した訳ではなく、メディアで大きく取り上げられて、議員たちをいらだたせるためにやっただけで、彼の行為自体は違法行為ではなかったと主張している。

彼の法律顧問や支持者たちも、水曜日の混乱状態を起こしたことが犯罪の可能性があると危機感を強めているようだ。現実に、トランプは顧問弁護士から、あの暴動を引き起こした罪で法的追及を受ける可能性があると警告されているようだが、トランプ自身はそんな意図は全くなかったと弁解しているらしい。

一方、上院共和党は、ここへきてトランプに対して俄かに厳しい態度になってきているようだ。
下院民主党から如何なる弾劾要求がなされても受け入れる姿勢を崩していないが、上院共和党の重鎮は、ウォーターゲート事件の際のニクソンの場合同様、トランプは直ちに大統領を辞任すべきだと主張している。

共和党のアラスカ選出の上院議員リサ・マーコウスキー女史はデイリー・ニュースのインタヴューに答えて「トランプは今すぐに大統領を辞任してホワイトハウスから出て行って欲しい。彼はゴルフをしている時以外は、ホワイトハウスで副大統領を筆頭に周囲の人間に当たり散らしているだけの人間だ」と語っている。

民主党のナンシー・ペローシ下院議長は、弾劾裁判を要求するか否か正式には未だ決まっていないと語っているが、トランプから核兵器発射命令の権限を直ちに奪うべきか否かを、統合参謀本部議長と協議したことを明らかにした。

民主党議員たちに対する書簡で、ペローシ下院議長は、ミレー統合参謀本部議長と精神状態が不安定な大統領から、軍事行動を起したり核兵器発射命令の暗号にアクセスする権利を直ちに剥奪する方法があるか否か協議したと語っている。

更に、トランプは錯乱状態であり、議員たちは、これから国を守るためのあらゆる方策を模索すべきだと述べている。
また、ペローシ議長は金曜日に、議長を始め民主党議員全てが、トランプの即時辞任を要求するとの声明を出した。もし、彼が従わなければ、直ちに彼を弾劾裁判にかけるとも語っている。

３）一方バイデン次期大統領は、トランプに対する弾劾裁判の申し立てを今直ちに実行するのには反対している。

また、わたしは２０日には大統領としてやらねばならぬ職責を直ちに遂行することに集中していると語っている。

「但し、水曜日の騒乱事件は、ペローシ議長を始め全ての指導的立場の人間には無視できない出来事であることに変わりはない。」とも語っている。

一方、下院で多数を占めた民主党のクライバーン議員は、NBCのインタヴューに答えて「執行部の大多数は、アメリカ人はもうたくさんだと思っていると理解していて、弾劾手続きへ進む気分になっているのは事実だ。」と語っている。