今朝のワシントン・ポスト紙 Coronavirus Updatesより

１）トランプ大統領は、大手製薬会社の幹部たちの陰謀で新型コロナウイルスに有効なワクチンの完成の発表を、トランプの当選チャンスを阻む目的で、故意に大統領選挙以降に引き延ばしたと非難している。
この根拠のない大統領の主張は、今週のホワイトハウスのコロナウイルス対策本部の会合でも大きく取り上げられていた。アレックス・アザール厚生長官は部下たちに詰問し、９０％以上の効果が証明されたファイザー社のワクチン情報が、政治的意図でバイデン候補の当選確実の報道の２日後に公表されたことに、何らかの政治的意図が働いたか否かを厳しく問いただしていた。

２）一方、コロナ感染はほぼ全州で拡大を続け、日々新規感染者数の記録を更新している状態だ。
この水曜日には全国の新規感染者数がこれまでの記録を破って14万５千人に達し、死者数も５月以来の記録となる１日に1,549人に達している。

厚生省の担当者や多くの州の病院関係者たちが病床が満杯状態になり医療従事者たちの疲弊度も限界に達していると警鐘を鳴らしている状態だ。ミズーリ州の病院では、既に病床が満杯で、運び込まれて来る新規患者を他の病院へ回さねばならない状態になっている。医師の団体がイリノイ州知事に対して警告を発し「われわれは今やどの患者を手当てし、どの患者を見放すかの選択を迫られている現状だ」と語っている。

３）最早春先のように、ウイルスが老人ホームやナイトクラブで猛威を振るっている状態ではなく、簡単な普通の夕食会などでも感染が拡大しており、パンデミック疲れの状態が顕著になってきている。

４）一方、感染症エキスパートのファウチ博士は国民に向かって「希望を持ってほしい」と呼びかけており、同時に、全国的なロックダウンが必要となってきてももっと冷静に対応して欲しいと語っている。更に「ワクチンという機動部隊がやってきて問題を解決してくれるだろう」と木曜日のABCテレビの”Good morning America”で国民を激励している。「皆さんがここで頑張って下さって、われわれがお願いしている衛生上の行動規範を守ってくだされば、必ずやウイルスの万延を終息させることができると皆さんにお約束いたします。」と続けていた。