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ラエリアン・ムーブメント
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■寒暖の差による季節性便秘にご用心!キウイとオリーブオイルで解消 放っておくと高圧浣腸治療も……
昼夜の寒暖の差が大きくなってきた今日この頃。「最近、お通じの調子が悪いかも」と感じている人は、気温の変化に気を付けたほうがいいかもしれない。秋から冬にかけての気温差が便秘の要因になる“季節性便秘”の可能性があるというのだ。
「今の季節は、暖かくなったと思ったら翌日は冬のように寒かったり、朝晩と昼との気温差が大きかったり。こうした差は腸の働きを悪くして、排便力を低下させます。便秘気味の人の症状が悪化するだけでなく、便秘のない人が便秘になることもあります」
こう話すのは腸の病気に詳しい、松生(まついけ)クリニック=東京都立川市=院長の松生恒夫医師。
特に気温差が10度以上になると大腸の動きが一気に悪くなることから、これを“10度の法則”と名付け、注意を促す。実際、同クリニックもこの時期に便秘を訴える患者が「ドッと増える」という。
ところで、なぜ気温差が便秘に関係するのだろうか。松生医師は二つの理由を挙げる。
「一つは自律神経の乱れです。自律神経とは無意識のなかで体を調整する神経のことで、交感神経と副交感神経があります。気温が一気に下がると私たちの体は体温を上げようと緊張モードに入り、交感神経が優位になります。交感神経は大腸の動きを抑えるように働くため、排便力が落ちてしまうのです」
もう一つは血流の低下。気温が下がると体が冷えて血管が収縮する。大腸に行く血液量が減るため、腸の働きが悪くなる。冷えが腸の働きを悪くする仕組みに大きく関わっているのが、第2の脳とも呼ばれる腸内神経叢(そう)の存在だ。
「腸内神経叢は約1億個の神経が集まったものです。腸壁のなかでネットワークを築いていて、大腸にモノが入ってくると連動して蠕動(ぜんどう)運動を起こすよう司令を出します」
大腸の血流が悪くなると腸内神経叢の働きがにぶるため、蠕動運動が起こりにくくなる。それが排便力の低下につながるのだという。
その際、便が出ないからといって安易に便秘薬に頼るのは、腸内細菌叢を減らす原因にもなるので、できるだけ控えた方がよさそうだ。
特に、市販薬にも多い、アントラキノン系という下剤を乱用すると、腸内神経叢を構成する腸内神経の数が減ることがわかっています。適切な使い方と用量を守ることが大切です」(松生医師)
では、季節性便秘を解消、予防するにはどうしたらいいか。
松生医師は、体の中と外からのアプローチについて説明する。
体の外からのアプローチで心がけたいのは、「腸を温めること」。お薦めは腹巻きだという。また気温が低くなる朝や夜は上に1枚羽織るなど、体全体を冷やさない工夫も必要。入浴も腸を温めるには効果的で、38度ぐらいのぬるめの湯にゆっくりつかるのがポイントだ。
一方、体の中からのアプローチ「は、「水溶性食物繊維をとること」。季節性便秘とは一見関係なさそうに思えるが、水溶性食物繊維は大腸にしっかり水分を引き込み、低下した大腸の働きを高める。便も軟らかくなってスルッと出るので、気持ちのよいお通じがつく。
食物繊維には水に溶ける「水溶性」と、溶けない「不溶性」がある。腸の働きが落ちている人の便秘を解消するには、水溶性食物繊維がベスト。松生医師が勧めるのは果物で、これからの季節、手軽に食べられるキウイフルーツやイチゴなどがよいという。
「キウイなら1個、イチゴなら5、6個。そこに古くから便秘解消効果が知られているオリーブオイル、できればエキストラ・バージン・オイルをかける。これを朝食として取ってください」
キウイフルーツの便通効果に関しては、松生医師はこんな実験を行っている。約500組の便秘気味の親子に、1日1個のキウイフルーツを2週間にわたって食べてもらったところ、68・2%の人でお通じの改善が見られたという。
「果物がといいというと、血糖値は大丈夫なのかという質問をよくいただきます。結論を申しますと、食物繊維が豊富な果物は食後血糖値が上がりにくいことが分かっています」
水溶性食物繊維は酪酸という物質を増やすため、別の意味でも腸の健康を高めるという。
「酪酸は小腸や大腸のエネルギー源になる物質で、腸内環境を整えてくれます。腸の病気の改善に役立ったり、アレルギーや肥満を抑制したりする効果があります」
ちなみに便秘予防というと、「朝起きたらコップ1杯の水を飲む」という方法が有名だが、意外にも松生医師はこの方法を勧めてはいない。
「実は、飲んだ水の多くは小腸で再吸収されてしまい、大腸に届くのは1割ぐらいです。水を飲めば胃が刺激されて腸が動き出す“胃結腸反射”が起こるので便通の改善が見込めますが、便の状態をよくする効果は期待できません」
たかが便秘と侮るなかれ。お通じがない日が続くと直腸に便がたまってカチカチに固まる。そうなると肛門(こうもん)に激痛が走り、歩くこともままならなくなる。そうなれば、もう病院で治療するしかない。生理食塩水を肛門から勢いよく入れる高圧浣腸(かんちょう)をするが、それでも効果がなければ、指で便をかき出す摘便が必要になるケースもある。
「季節性の便秘が、慢性便秘のきっかけになることもあります。便秘は生活習慣の改善で予防や解消が可能な病気の一つです。果物を取るだけですから、無理なく続けられます。気になったらすぐに取り組んでほしい」
【元記事】
https://news.yahoo.co.jp/articles/bbe41bee18444d332499bd819cdda3387b67f53b
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