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2020年10月21日20:23

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前進座公演「残り者」@大田区民ホール アプリコ

ぴあにお気に入りアーティスト登録をしておきますと、メルマガでその公演を
通知してくれます(もちろん、ぴあ扱いのものだけ)
そんな風にして鵜山君演出の前進座公演も知れるところとなり、ぴあはその
内容については全く説明してくれないのですが、鵜山君演出ですから問答無用

で、まずは前売り券を確保してから前進座の公式ウェブサイトで詳細をじっくり

江戸城明け渡し前夜、二の丸大奥に居残った奥女中五人(とネコ一匹)の物語、
原作は直木賞作家朝井まかてさん作の時代小説で双葉文庫から出版されている
ということで早速Amazonに発注しました&読みました

ワタシは日本史に全く疎く、これで初めて天璋院様と篤姫が同一人物であるこ
とを知りました、といっても天璋院様については吾輩は猫であるの中の「天璋院
様の御祐筆の…」というフレーズのみ、篤姫はNHKの大河ドラマにあったなと
いう程度、今回はおかげさまで勉強になりました(また忘れちゃうんだろうけれど)

原作・脚本も女性、演ずるのも女性ばかり、これを鵜山君がどう料理するのか
女性ばかりの芝居というのは、すでにこまつ座のマンザナわが町やシェイクスピ
アの十二夜を女性主体で上演した舞台、最近では千石イエスをとりまくキリス
ト教信者の女性たちを扱った作品で経験済みですが、要するに女性は男性とは
(いい意味でも悪意でも)違うということですね

男もすなるあれこれを女もしてみむ、というのがフェミニズム信奉者ですが、
何故か同じようにはならないのですよ(それでいいじゃないの)

原作では五人の女性たちを各章立てで描いていますが、それでは芝居として冗長に
なってしまいますので、お互いに上手い具合にからみ合って、天璋院様の飼い猫
サト姫(実在の猫だそうです)を客演の毬谷友子さんが狂言回しで「わらわは猫で
ある」よろしくまとめて芝居に持って行きます
但しこのアイディア、あまり効果的とも思えませんでしたが

原作ではこの猫は一橋家に移られた飼い主様に送り届けられるのですが、今回の
演出では戻ってきてしまい、最後は官軍の雑兵にあっけなく捻り殺され、その霊が
五人の女性のその後をナレーションするという仕掛けになっています(これは
なかなか胸に来る場面でした)

ワタシは原作を読んだのでネタバレはしてしまいましたが、舞台で行われている
ことがすんなり頭に入り、それはそれで良かったと思います

コロナ禍ということで、演出もそれなりに抑えたものとなり、鵜山君らしさが
いささか弱められていた気がしないでもありません
それでも「盆廻しの鵜山」の異名をとる彼のこと、回り舞台を巧みに使った場面
転換で、大奥を表現していました

BGMとしてシューマンの「女の愛と生涯」をチェロで流したのも彼らしいというか

最初の脚本はもっと長かったのを、稽古の段階でだいぶカットしたらしい
休憩含め2時間40分に収め、だれることなく舞台化していたと思います
登場人物の一人おちかのその後のエピソードとして、原作では単に内務省勤務の
官吏に嫁いだことになっているのを「天璋院様の御祐筆の妹のお嫁に行った先の
おっかさんの甥の云々」としていて笑わせました

終演後は以前にも行ったことのある京急蒲田駅前商店街の「食事処井戸屋」さんで
鯖の味噌煮定食に揚げ茄子を加えて〆て税込み800円、美味しゅうございました
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