2009年にヘンリー�裟せ杏�作一挙上演という意欲的企画が畏友鵜山君演出により
スタートして12年、今回の公演を以て薔薇戦争八部作が完結ということになりました
演出家先生によると当初は全作品踏破ということは意図していなかったようですが、
回を重ねるごとにもう一作、もう一作と続けて来て、全作品を意識したのは前回の
ヘンリー�浩い里箸�だったとのこと
結果として、浦井健治さん・岡本健一さん・中嶋朋子さんという若手キャストを一貫
して起用するという座組も快挙というべきでしょう
リチャード�鏡い箸いΑ△匹舛蕕�というレアで地味な作品が最後になったのは後回し
にされたのかとも思いましたが、本日拝観するに決してそんなことはない、戯曲を
読んだのでは想像もしなかった深い人間洞察に満ちた、さすが沙翁であります
もちろん楠美津香さんのLSDではこれまで何度も鑑賞してきましたが、各配役を
それぞれ別の役者が演ずるという重層構造・セリフのポリフォニーは、一人芝居
の面白さとは別格のドキドキ感がありました
事前に発表されていたのはキャストのみで配役については触れていない、浦井さんと
岡本さんのどちらがタイトルロールを演ずるのかというのが興味の的でしたが、
当方が勝手に思い描いていた文人王というイメージから浦井さんがリチャードかな
という予想に反して、岡本さんが狂気を感じさせる新しいリチャード像を創出し、
見事に（良い方に）期待を裏切ってくれました
権威の座を譲り渡すというリチャード王の哀感は、あたかも狂乱の場とでもいう
モノローグに変わり、ヘンリー・ボリングブルック（後のヘンリー�言ぁ砲�
その後のヘンリー�浩ぁ↓裟い膨未困觀鷲茲魎兇犬気擦泙�
つまり、岡本さんがリチャード担当、浦井さんがヘンリー担当で貫いたのですね
美津香さんのLSDを観、小田島訳の原作を読み通すだけでは感じ取ることのできな
かった、例えばヨーク公の逡巡苦悩や、史実では10歳であったという王妃イサベラ
の純粋性などは今回改めて感じ取ることができました
生の舞台で観ることの意義を今さらのように思い知らされたことであります
終演後に中井美穂さんの進行で、鵜山さん・浦井さん・岡本さん・中嶋さんによる
シアタトークがありましたが、どの方も12年かけて全作品を踏破した重みと、それ
がコロナ禍の最中に実現したことの感慨を語っておられました
楠美津香さんによって親しむことになった沙翁世界の面白さにとどめを刺された
感じの本日（とこれまでの12年）でありました
個別の感想はとてもここでは書ききれません（今年のベストであるのは間違いナシ）
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