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2020年09月13日22:50
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高知県でフタユビナマケモノの赤ちゃんが誕生！ナマケモノの仲間の歴史 その他オウギワシ
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9/13(日）
高知県にある「のいち動物公園」で9月1日に誕生したフタユビナマケモノの赤ちゃんが、このたび一般公開された。体が小さくて、自分で餌をとれず、母乳のみで育つ段階である。動物園では、透明なガラスケース越しに展示されている。小さな赤ちゃんは、普段母親の腹部にしがみついたまま、顔を上げてくれない。時折、枝につかまりながら葉っぱをむしる母親の腹部から姿を見せるという。
体調は20ｃｍの子供の名前は、生後12日立っても決まっていない。母親のキュウと父親アミーゴとの間に産まれた5頭目の子供である。飼育下で5頭の子供を産んだ雌は、世界でもほとんど例がない。
大人の体調は40ｃｍから60ｃｍ、体重はわずか6ｋｇ、ふさふさした茶色い毛は、背景の木の幹にすっかり溶け込んでいる。
写真＝高知県「のいち動物公園」で誕生したフタユビナマケモノの赤ちゃん
掲載元 動画あり！毎日新聞 https:/
動きがゆっくりなナマケモノは、居場所さえ分かれば、じっくりと観察できる。関東圏内では、同じフタユビナマケモノが、東京都台東区の上野動物園と埼玉県の東武動物園で飼育されている。
ナマケモノは、ほ乳類の中でも実に変っている。カンガルーやコアラなどの有袋類、卵を産んで、乳腺で子供を育てるカモノハシやハリモグラのような単孔類を除く、有胎盤類の中できわめて稀な変温動物である。他にアフリカ大陸で地中に巣穴を掘るハダカデバネズミが、変温動物だと分かっている。
我々人は、恒温動物といい、体内で熱を作り出す。人の平均体温は36度から37度、平熱を維持するべく、朝、昼、晩と定期的な食事は欠かせない。
一方で爬虫類のワニやヘビと同じく、変温動物のナマケモノは、外気によって、体温が上下する。ワニやヘビは、日没が迫るに連れて、基礎代謝量の低下に伴い、動きが鈍くなる。水陸両棲のワニは、岸辺で日光浴をして、エネルギーを蓄える。夜間に少しずつエネルギーを消費しながら、水辺を訪れる生き物を狩っていた。
外温性動物には大きなメリットがある。運動量を極力抑えれば、食料を極端に減らすことができる。現に現生のナマケモノの一種ミユビナマケモノは、1日に平均わずか8ｋｇの葉っぱしか食べない。今から3500万年前、地質年代で始新世の頃に、寒冷化が進み、熱帯雨林が縮小しても、ナマケモノの祖先は食糧不足を乗り切ることができた。
さてナマケモノには、もう一つ体に特徴がある。ナマケモノは動物分類学上、フタユビナマケモノ科とミユビナマケモノ科の2科に分かれる。共通して、樹上性で動きが少なく、滅多に地上には降りない。名前の通り、種によって指の数が異なっていた。フタユビナマケモノは、前足の指は2本に対し、後足の指は3本である。変温動物でありながら、夜間活発に行動する。一方、ミユビナマケモノの方は、指の数が前足、後足共2本ずつ、もっぱら昼行性だ。
写真＝ミユビナマケモノ 掲載元 wildlife of MANAUS AMAZON
http://
2科のナマケモノは、天敵を避けるため、保護色になっていた。ミユビナマケモノは、湿った環境下で、体毛にコケが生え、背景の枝についた葉っぱになりきる。最大の天敵は翼開長最大220ｍ、平均体重8ｋｇから9ｋｇ、最大12ｋｇのオウギワシだ。視力のよいオウギワシでも、木の幹につかまったまま、微動だにしないミユビナマケモノを見つけるのは至難の業である。
フタユビナマケモノの方も、オウギワシ対策として、採食を除き、極力動かない。茶色いふさふさした毛は、すっかり幹に溶け込んでいる。
写真＝オウギワシ 掲載元 壁紙.com http://
行動範囲の広さや素早さにおいては、フタユビナマケモノの方に分がある。泳ぎに関しては、ミユビナマケモノの方が得意である。繁殖期には、水没したジャングルを犬描きのような泳ぎで渡っていた。一方でフタユビナマケモノは泳ぐことは出来ないといわれている。
脊椎の数にも違いがある。哺乳類の脊椎は通常7個で一致するが、ミツユビナマケモノの頚椎は8個から9個と若干多い。フタユビナマケモノ科では、フタユビナマケモノが6個、ホフマンナマケモノは7個である。2種のナマケモノは、外見では区別がつかない。Ｘ線検査の結果、脊椎の数の違いで判明する。
写真＝フタユビナマケモノ 掲載元 東山動植物園ホームページのトップ画
http://
2科のナマケモノの脊椎の数が変わった理由は、長い年月樹上生活を送る過程で脊椎がくっついては離れることが繰り返されたからだという。
フタユビナマケモノ科では、更新世後期にメガロクナスとメガロニクス、ハバノクナスの3種が化石記録から明らかになった。
人類の文明が発祥する以前、地球上では大型のナマケモノが存在した。全ての種類は、現生のナマケモノと同じく、南米大陸の地層から発掘された。現代の樹上性のナマケモノから想像もできないほど巨大な動物だった。地上性ナマケモノの代表種メガテリウムは、熊のようにずんぐりとした体つきをしていた。平均体調は８ｍ、推定体重は10トンに上る。歯の形は、頂上部分がアルファベットのＶ字型に窪んでいる。太い棒杭状の歯は、顎に埋もれている部分も含めて、長さ20ｃｍに達していた。歯の裏には、げっ歯類のビーバーのようにエメナル質ではなかった。葉っぱを噛み潰して磨り減っても、すぐに再生していたことがわかる。他にグロッソテリウム（680万年前から1万年前）、ミロドン（120万年から1万年前）、エレモテリウム（181万年前から1万年前）、スケリドテリウム（78万年から1万年前）と4種の存在が確認されている。
地上性ナマケモノを細分化すると、以下の4科に分かれる。
�．�オナマケモノ科(メガテリウム、メガロニクス、エレモテリウム、ノソロテリオプス、タラッソクヌス、タラソクヌス)
写真＝メガテリウム
タラッソクヌスの生息年代は、中新世後期から更新世前期、メガテリウムとメガロテリウム、ノソロテリプスは鮮新世前期から更新世後期である。エレモテリウムは他3種が姿を消した完新世に生きていた。メガロニクスは、頭骨が半球状に大きく、上下の顎骨先端に犬歯状の門歯があった。植物となる葉っぱや茎を門歯で切り裂き、後方の柱状の歯で噛み潰したといえる。水陸両方での生活に適応していたと考えられている。ミロドン科のミロドンは、この門歯を失っていた。火山活動に伴って形成された溶岩トンネルを住処にしていたことが分かっている。
写真＝ノソロテリオプス
�▲潺蹈疋鷁�{ミロドン(完新世)、グロッソテリウム(中新世後期から更新世後期)｝
��スケリドテリウム科{スケリドテリウム(更新世)
�ぅ�ロフォドン科{オクトドントテリウム (完新世)
写真＝グロッソテリウム
地上性のナマケモノは、1万3000万年前を最後に姿を消した。絶滅の原因は、北アメリカ大陸から南下した人類の過剰殺傷、または気候変動とも言われている。当時温暖期に向かっていたものの、再度1300年ほど氷期に逆戻りした。一時的に寒冷化した時代をヤンガードリアス期という。なぜ寒冷化したのか、一説によると天体衝突が原因といわれているものの、詳しい証拠はない。サーベルタイガーことスミロドンやナウンマンゾウも同じ時代に絶滅した。地上性ナマケモノは、今なお伝説の古生物として語り継がれている。
熱帯雨林の破壊により、現生ナマケモノの個体数は減少傾向にある。繊維質の高い葉食中心の食生活をしたことにより、一日20時間寝て過ごす、省エネな生き方を選んだ。スローライフを続けながら、熱帯の森の中で脈々と命を繋いでいる。
ナマケモノの赤ちゃん誕生
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高知県にある「のいち動物公園」で9月1日に誕生したフタユビナマケモノの赤ちゃんが、このたび一般公開された。体が小さくて、自分で餌をとれず、母乳のみで育つ段階である。動物園では、透明なガラスケース越しに展示されている。小さな赤ちゃんは、普段母親の腹部にしがみついたまま、顔を上げてくれない。時折、枝につかまりながら葉っぱをむしる母親の腹部から姿を見せるという。
体調は20ｃｍの子供の名前は、生後12日立っても決まっていない。母親のキュウと父親アミーゴとの間に産まれた5頭目の子供である。飼育下で5頭の子供を産んだ雌は、世界でもほとんど例がない。
大人の体調は40ｃｍから60ｃｍ、体重はわずか6ｋｇ、ふさふさした茶色い毛は、背景の木の幹にすっかり溶け込んでいる。
写真＝高知県「のいち動物公園」で誕生したフタユビナマケモノの赤ちゃん
掲載元 動画あり！毎日新聞 https:/
動きがゆっくりなナマケモノは、居場所さえ分かれば、じっくりと観察できる。関東圏内では、同じフタユビナマケモノが、東京都台東区の上野動物園と埼玉県の東武動物園で飼育されている。
ナマケモノは、ほ乳類の中でも実に変っている。カンガルーやコアラなどの有袋類、卵を産んで、乳腺で子供を育てるカモノハシやハリモグラのような単孔類を除く、有胎盤類の中できわめて稀な変温動物である。他にアフリカ大陸で地中に巣穴を掘るハダカデバネズミが、変温動物だと分かっている。
我々人は、恒温動物といい、体内で熱を作り出す。人の平均体温は36度から37度、平熱を維持するべく、朝、昼、晩と定期的な食事は欠かせない。
一方で爬虫類のワニやヘビと同じく、変温動物のナマケモノは、外気によって、体温が上下する。ワニやヘビは、日没が迫るに連れて、基礎代謝量の低下に伴い、動きが鈍くなる。水陸両棲のワニは、岸辺で日光浴をして、エネルギーを蓄える。夜間に少しずつエネルギーを消費しながら、水辺を訪れる生き物を狩っていた。
外温性動物には大きなメリットがある。運動量を極力抑えれば、食料を極端に減らすことができる。現に現生のナマケモノの一種ミユビナマケモノは、1日に平均わずか8ｋｇの葉っぱしか食べない。今から3500万年前、地質年代で始新世の頃に、寒冷化が進み、熱帯雨林が縮小しても、ナマケモノの祖先は食糧不足を乗り切ることができた。
さてナマケモノには、もう一つ体に特徴がある。ナマケモノは動物分類学上、フタユビナマケモノ科とミユビナマケモノ科の2科に分かれる。共通して、樹上性で動きが少なく、滅多に地上には降りない。名前の通り、種によって指の数が異なっていた。フタユビナマケモノは、前足の指は2本に対し、後足の指は3本である。変温動物でありながら、夜間活発に行動する。一方、ミユビナマケモノの方は、指の数が前足、後足共2本ずつ、もっぱら昼行性だ。
写真＝ミユビナマケモノ 掲載元 wildlife of MANAUS AMAZON
http://
2科のナマケモノは、天敵を避けるため、保護色になっていた。ミユビナマケモノは、湿った環境下で、体毛にコケが生え、背景の枝についた葉っぱになりきる。最大の天敵は翼開長最大220ｍ、平均体重8ｋｇから9ｋｇ、最大12ｋｇのオウギワシだ。視力のよいオウギワシでも、木の幹につかまったまま、微動だにしないミユビナマケモノを見つけるのは至難の業である。
フタユビナマケモノの方も、オウギワシ対策として、採食を除き、極力動かない。茶色いふさふさした毛は、すっかり幹に溶け込んでいる。
写真＝オウギワシ 掲載元 壁紙.com http://
行動範囲の広さや素早さにおいては、フタユビナマケモノの方に分がある。泳ぎに関しては、ミユビナマケモノの方が得意である。繁殖期には、水没したジャングルを犬描きのような泳ぎで渡っていた。一方でフタユビナマケモノは泳ぐことは出来ないといわれている。
脊椎の数にも違いがある。哺乳類の脊椎は通常7個で一致するが、ミツユビナマケモノの頚椎は8個から9個と若干多い。フタユビナマケモノ科では、フタユビナマケモノが6個、ホフマンナマケモノは7個である。2種のナマケモノは、外見では区別がつかない。Ｘ線検査の結果、脊椎の数の違いで判明する。
写真＝フタユビナマケモノ 掲載元 東山動植物園ホームページのトップ画
http://
2科のナマケモノの脊椎の数が変わった理由は、長い年月樹上生活を送る過程で脊椎がくっついては離れることが繰り返されたからだという。
フタユビナマケモノ科では、更新世後期にメガロクナスとメガロニクス、ハバノクナスの3種が化石記録から明らかになった。
人類の文明が発祥する以前、地球上では大型のナマケモノが存在した。全ての種類は、現生のナマケモノと同じく、南米大陸の地層から発掘された。現代の樹上性のナマケモノから想像もできないほど巨大な動物だった。地上性ナマケモノの代表種メガテリウムは、熊のようにずんぐりとした体つきをしていた。平均体調は８ｍ、推定体重は10トンに上る。歯の形は、頂上部分がアルファベットのＶ字型に窪んでいる。太い棒杭状の歯は、顎に埋もれている部分も含めて、長さ20ｃｍに達していた。歯の裏には、げっ歯類のビーバーのようにエメナル質ではなかった。葉っぱを噛み潰して磨り減っても、すぐに再生していたことがわかる。他にグロッソテリウム（680万年前から1万年前）、ミロドン（120万年から1万年前）、エレモテリウム（181万年前から1万年前）、スケリドテリウム（78万年から1万年前）と4種の存在が確認されている。
地上性ナマケモノを細分化すると、以下の4科に分かれる。
�．�オナマケモノ科(メガテリウム、メガロニクス、エレモテリウム、ノソロテリオプス、タラッソクヌス、タラソクヌス)
写真＝メガテリウム
タラッソクヌスの生息年代は、中新世後期から更新世前期、メガテリウムとメガロテリウム、ノソロテリプスは鮮新世前期から更新世後期である。エレモテリウムは他3種が姿を消した完新世に生きていた。メガロニクスは、頭骨が半球状に大きく、上下の顎骨先端に犬歯状の門歯があった。植物となる葉っぱや茎を門歯で切り裂き、後方の柱状の歯で噛み潰したといえる。水陸両方での生活に適応していたと考えられている。ミロドン科のミロドンは、この門歯を失っていた。火山活動に伴って形成された溶岩トンネルを住処にしていたことが分かっている。
写真＝ノソロテリオプス
�▲潺蹈疋鷁�{ミロドン(完新世)、グロッソテリウム(中新世後期から更新世後期)｝
��スケリドテリウム科{スケリドテリウム(更新世)
�ぅ�ロフォドン科{オクトドントテリウム (完新世)
写真＝グロッソテリウム
地上性のナマケモノは、1万3000万年前を最後に姿を消した。絶滅の原因は、北アメリカ大陸から南下した人類の過剰殺傷、または気候変動とも言われている。当時温暖期に向かっていたものの、再度1300年ほど氷期に逆戻りした。一時的に寒冷化した時代をヤンガードリアス期という。なぜ寒冷化したのか、一説によると天体衝突が原因といわれているものの、詳しい証拠はない。サーベルタイガーことスミロドンやナウンマンゾウも同じ時代に絶滅した。地上性ナマケモノは、今なお伝説の古生物として語り継がれている。
熱帯雨林の破壊により、現生ナマケモノの個体数は減少傾向にある。繊維質の高い葉食中心の食生活をしたことにより、一日20時間寝て過ごす、省エネな生き方を選んだ。スローライフを続けながら、熱帯の森の中で脈々と命を繋いでいる。
ナマケモノの赤ちゃん誕生
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