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2020年07月12日17:53

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都響スペシャル2020@サントリーホール

都響では予定されていたすべてのコンサートを一旦チャラパーにして、プログラ
ミングや販売する座席を組み直して新しいコンサートを開催することにしました
その第一弾が本日で、都響支持会員・定期会員限定で抽選により販売する、その
貴重な1枚を博才が全くなく、籤運も極めて悪いワタシがゲットいたしました
ただし席の選択はできず、1階6列24番という場所でしたが、前から4列は飛沫防止
の観点から売りに出されておりませんのでかぶりつきに近い席でした

というわけで、半年ぶりのサントリーホールです

既に先月無観客で医療専門家立ち合いの元管楽器の飛沫計測実験等衛生上の配慮を
行った上での本日の(都響としては)演奏再開であります
東響とは異なって、弦楽器・打楽器・マエストロもマスクは着用しておりません
東条さんに言わせると不愛想なステージマナーの都響だそうでありますから、その
醒めた演奏態度がウィルスの拡散を防いでいるのかもしれません
指揮台の前には譜面台の代わりにアクリルの板が2枚設置されていて、マエストロが
たとえ唸り声を上げようとも楽員の安全衛生は確保されているようであります

本日のプログラムは、(管楽器のためのファンファーレ+シンフォニー)×2という
構成で、弦は12・10・8・6・4の12型、先日の東響より一回り大きい編成です

まずはコープランド作の市民のためのファンファーレ、うーん聴いたことがあるよう
なないような、第二次大戦中のアメリカ国民の人心を鼓舞する目的で作曲された、
言わば「敵性音楽」でありますが、今の世の中そんなの関係ありません、敵はコロナ
アメリカさんも大統領は強がりを言っているようですが、共に戦う仲間です
冒頭の打楽器の一撃には全身が震えました

3分ほどの短い曲で、次のベートーヴェンに出番のあるホルン2名とトランペット2名
をステージに残し他の管楽器奏者は退場、入れ替わりに弦楽器が入場すると都響と
しては異例のことに客席から拍手が起こります(逆に先日の東響ではいつもの拍手が
ありませんでした)
なにしろ異例のことなので、団員の中にはすぐに座席に着いてしまう方もいて、あわ
てて立ち上がり、コンマスの矢部さんが揃ったところで一斉に頭を下げて着席します

ベートーヴェンの1番は、交響曲の番号としては若いけれど、本日ナマで聴いてみると
決して若書きではない、先輩のハイドンを超えている感じがします
それになにしろ都響は久しぶりだけどやはり音がいい、弦楽の澄んだ響きには惚れ
惚れします

東響が小編成乍ら非常に攻撃的な音楽を提示したのとは反対に、一回り大きな構成
でありながら精緻でしかも愉悦に満ちた、ベートーヴェンの1番ってこんな曲だった
んだと思わせました
なんとなくmusizielenという言葉を思い浮かべていました

休憩は置かずに弦楽が退場し、また金管楽器奏者だけとなってデュカスの「舞踏詩
ラ・ペリ」よりファンファーレ、これはよく聞かれる曲です
いかにも祝祭という感じの輝きに満ちて、なんだか却って泣きたくなりました

最終ステージはプロコフィエフの古典交響曲、これもまた機知に富んで喜びに溢れ、
本日のコンサート活動再開の日に相応しい選曲と思います
ふと気が付くと、第2ヴァイオリンのトップが遠藤香奈子さんに替わっていました
この曲でも弦が大活躍(ワタシの席からでは管楽器奏者が見えにくいせいもある)
小編成の利点を120%生かして繊細で美しい(後でマエストロは第1ヴァイオリンを
立たせて讃えていました)

コンマスと肘タッチしたマエストロはうれしそうでしたが、なんとなくほっとした
感じも伝わってきました
思えばマエストロが芸術監督を務める新国立劇場はシーズン後半の演目がすべて
キャンセル、来季の公演も白紙に戻ってしまうという状況で、本日のコンサートに
かける思いもひとしおだったのだろうと拝察されます

Bravoこそかけられませんでしたが、ワタシも両手を前に高く差しだし、心から
拍手を贈りました

本日の演奏は収録されネット配信されるとのことです
1000円を払い込めばほぼ2か月間、何度でも視聴できるそうですからお奨めです

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