映画「マトリクス」は3部作なのだが、
最初ばかり有名で残り2つはあまり聞いたことがなかった。
今日、2部のマトリックス・リローデッドと3部(完結編)マトリックス・レボリューションを観たのだが、なるほど1部のマトリックスしか有名でないわけである。
これらは1部のマトリックスとはまったく別の作品。
人の感情を刺激し次を観せるだけの水戸黄門。ただの娯楽アクション映画。
マトリックスは秀逸な世界観があり、世の中の真実をつくようなセリフが特徴だったのだが、2部、3部は、難しいことを言っているが中身がない。
セクシー・ダンスとキスシーン、アクションシーンが多いだけの映画。
シナリオは、ありきたりの、愛のため自己犠牲を遂げるヒーロー物語。
ことごとく駄作であることにがっかりした。
マトリックスはあの1本で作品として完全に完結していた。
もともとマトリックスは、機械と人間との闘いの決着で終わらせるような構成ではなく、もっと深い普遍的なことを観せ人を感動させる映画であった。
おそらく当初は1部で完結する作品として制作したのだろうが、1部が大ヒットしたので「2部、3部と続ければお金が儲かる」と、無理に話をつなげてしまったのだろう。
制作された年月をみてもやっつけ仕事でがっぽり稼いだことが分かる。
1部が公開されたのが、1999年。
2部と3部は同じ2003年。
しかも2部が5月公開で3部は11月公開という短期間での制作。
1部の作品構成と、この4年のブランクから見て、当初、2部、3部は考えてなかったことが分かるし、また、1部と2部は、話が続きになっていないが、2部と3部は話が続きになっている。
2部と3部は、だらだら長いだけで後には何も残らないつまらない映画だった。
評価を得るまでは洗練されたものを作らないと世に出ることができないから、素晴らしい作品を作る。
でも一度、名声を得ると、何を作ってもネームバリューでお金が儲かる。
名声を得た製作者がお金の誘惑に負け、やっつけ仕事で手抜き作品を作ってしまった。
マトリックスはその典型的な例。1作目が歴史に残る秀作なだけに惜しい。
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