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2020年04月17日02:17

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空港の下ってどうなっているのか!

■空港の下ってどうなっているのか!

羽田にしても成田にしても、大阪の新空港にしても、飛行機が大量に離発着する場所なので、滑走路の下はどうなっているのでしょう。それに、海岸線にある空港が、海へ向かって発展して行っているのが不思議じゃありませんか。江戸湾の埋め立て工事は有名で、皇居のお堀近くの明治生命ビルのあたりまでは海岸でした。

江東区も中央区も台東区も江戸時代に作られた埋立地だらけです。江戸湾は埋め立てられて、海は小さくなり、海辺の砂浜はなくなり、流通の発展とともに運河や岸壁に変身していきました。昭和に入って、その埋め立ての延長線上に羽田沖も埋め立てられて空港も作られたわけです。

4000m滑走路や、新しいターミナルビルや管制塔がある位置は、どんどん東京湾が沖へ向かって埋め立てられて、確か数年前までは海だったはず。海を埋め立てて土地を作って、滑走路やビルを作っているのだ。羽田国際空港の旧ターミナルは現在のターミナルの西の端にあったのだ。今では旧ターミナルの駐車場だったところに小さな神社が残されている。

今の滑走路はまさに海だったのだ。その滑走路の10mから20m下を羽田空港のターミナルビルへアクセスできる首都高速が通っている。東京モノレール沿いの首都高速と、レインボーブリッジを通過して、お台場の沈埋トンネル経由で横浜へつながっている湾岸線とを接続している道だ。

お台場の沈埋トンネルは。四角い防水性のある箱を陸上の工場で作って、海底には固定するコンクリート製の台座を作って、箱を巨大なクレーン付きの台船へ乗せて、現場へ移動して、注水して沈められて、クレーンのスタッフと海中のスタッフが、台座へmm単位の精度で固定してから水を抜く新工法のトンネルとして作られている。だからこの運河は大型船でも通過できるのだ。

当時としては独自の画期的な工法で、設計から上下6車線の首都高の完成までの期間を大幅に短縮した。その後もこの新工法は、海ほたるの前後の木更津までの道の海中トンネルにも応用されている、この海中トンネルのおかげで、東京湾が海上に出っ張った道路で分断されることなく、大型船の通行も制約がないし。漁業への影響も最小限に抑えられているという。

滑走路の下を通って地上に出ると2つのターミナルビルの間を首都高速が通っている。海を埋め立てて作った土地を掘り起こして通している地下道路だ。その上には5m近いコンクリート層と、アスファルトをコーティングして滑走路が作られている。

その滑走路の下で50年以上支えるのが基礎地盤だ。元々は海だから、まずコンクリートの壁で埋め立てする場所を囲んで海水を排除する。海底だった場所が見えて来て、そのまま放置すれば水が乾いて土地になると思ったら大間違いだ。

そのまま土砂で埋めても、海水が岸壁の下の地層から染み込んできて乾いた土地にはならない。まずは土砂を10mくらい積み上げて海底だったところに重さをかけて、土地を引き締める。しかし、それだけでは染み込んだ海水は残ってしまい、対策していなかった浦安の住宅地で起こったような地震による土地の流動化の原因になる。

通常は数年かけて土地を安定化させるのだ。出てきた海底に竹組みシートを敷き詰めて、その上に荷重をかける土砂を積み上げる。数ヶ月荷重をかけた土地に、サンドパックドレーンという機械で、地面に深い穴を掘りながら、ネットに入れた砂や砂利を入れて、数十メーターの砂ぐいを土地へ埋め込む。

土地の表面から砂ぐいを通って、時間をかけて水抜きを行い。積み上げた土砂の荷重とで固めて安定させるのだ。その上に作る構造物に合わせて、支えるコンクリートの杭を支持層まで打ち込んで、滑走路やビルを支えるのだ。その前にボーリングで海底の土をサンプリングして、圧密試験機に土のサンプルの円柱を作って試験にかける。

圧力をかけてどの程度の力が何時間かかるとサンプルが大きく変形したり、クラックが入るまでのプロセスをマイクロゲージで測定して、場所や深さによって違う土地の強度を把握して、どういう工事でどのくらい土壌改良したり、コンクリートパイルの本数などの基礎構造をどうすればいいのかを設計するのだ。

滑走路を作る工事は1mあたり数億円の経費がかかる、かける4000mで滑走路の建設費用を算出できる。ほぼ50年の耐用年数で、沈み込む量がしっかり計算されていている。空港の滑走路がデコボコでは飛んだり降りたりはできなくなりますからね、かと言って過剰な工事をすれば費用が膨大になってしまうので、基礎地盤設計は発注元の自治体や国や、公共工事の価格を見積もって入札で引き受けた巨大ゼネコンにとって重要なんですね。


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