トランプ大統領のマラリア特効薬の対新型コロナウイルスに対する有効性の発言に問題あり

昨日のワシントン・ポスト紙のニュースレターで、気になる記事を見付けましたので、要点だけ訳してみました。ご参考まで。
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何故マラリア特効薬のhydroxychloroquineが、科学的根拠もなしに新型コロナウイルスの治療に効果があるとなどという誤った情報が流れたのか？そして、その結果はどうなったか？ワシントン・ポスト紙の3人の記者がその謎を追ってみた。

先ず3月19日にトランプ大統領の発言があった。
「私が見聞きする限りでは、こいつは事態を一変するかもしれないと思った。
Hydroxychloroquine? 何だか知らんがコロナウイルスに効くそうじゃないか。
そうだとしたら凄いことだ。」

その後4月3日には「何を心配しているのだ？やってみたらどうか？やってみる価値はある」と発言。更に翌日にはホワイトハウスでの記者会見で「コロナウイルスの爆発的蔓延の経緯をたどる最新判ニュースレターに署名する」と発表。
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更に4月5日の記者会見では「こいつはマラリアに凄い効果があるし、世界で既に10万人の死者を出している新型コロナウイルスにも効くらしい証拠がある。」と語たり、今最も求められているコロナウイルス問題の解決策になり得るだろうと大統領はこのマラリア特効薬を推奨した。

大統領が発言する以前から、このマラリア特効薬についてはいろいろ噂が出ていて、コロナ治療薬としての可能性を調査する研究者が多く現れていた。このニュースはネットで広がり、メディアを通じてホワイトハウスにまで浸透する勢いだった。

一方科学者たちはそもそもこのマラリア特効薬の対COVID-19に対する効果の研究自体に欠陥があり、この薬そのものについての信頼できるデータが不足していると警戒を強めていた。
まだよく効能が解明されていない薬品を過剰に推奨する行為自体が危険行為だと警告しているのだ。
既にその副作用として、この薬品の品薄が報告されており、この薬を必要とするマラリアの患者が手に入れることが難しくなっている。単なる根拠のない噂の副作用で死亡するマラリア患者が出て来るかもしれないと危惧されている。
また、このマラリア特効薬に注目が集まった結果、コロナウイルスに対する他の治療薬の研究開発に支障をきたす惧れすらあるのだ。