上方落語に、「風の神送り」という噺がある。
桂米朝さんが掘り出して仕立て直したおかげで、復活した外題。
風の神(つまり流行性感冒などの流行(はやり)神)をご接待したあとで、「♪か〜ぜの神送ろ ♪か〜ぜの神送ろ ♪か〜ぜの神送ろ」とみんなで陽気にはやし立て、川へ形代(かたしろ)を流して追っ払ってしまおうという、一種のお祓いの祭り。
こたびの新型肺炎の一件で、政府も、お役所も、お医者さんもあまりあてにならない。
となると、風の神送りをするしかないのでは?
夜の町がだいぶヒマになっているようなので、町内の飲食店やバーやレストランの大将やマスターたちが音頭を取って、形代を作り、人を集め、仮装してご陽気に町内のナイトスポットを一巡し風の神さんを接待したあと、川へ送るのだ。
もちろん、神さんを接待するのだから、参集した人たちも、お神酒をいただくことになる。
これをやれば、会場にして一巡するお店の側もうるおうから、まさに一石二鳥。
え、自粛自粛の昨今に、そんな人寄せイベントをやって、新型ウィルスがアウトブレークしたらどうするの、ですか?
そしたら、もっと大きな形代を作って、もっと盛大に風の神送りをやって、・・・って、だめですか?
●【上方落語メモ第3集】その106 「風の神送 り」のサイト:
http://kamigata.fan.coocan.jp/kamigata/rakug106.htm
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