本日は新日フィル音楽監督の上岡敏之氏をお招きして、といっても振っていただくわけでは
ない、室内楽ですからピアニストとしてです
wikipediaで氏の項目の職業欄には指揮者と並んでピアニストと書かれています
讀響との共演はもちろん指揮もされておりますが、ソリストとしてなんと！ラフマニノフの3番を
演奏されたとのこと、これは本物です
ヴァイオリンも学ばれこともあるらしく才人ですね、あまりにも才人なので凡人であるワタシは
その音楽性に付いて行けないことがある
本日はプレトークとしてマエストロがピアノを弾きながら曲目解説をされるという、これは聴か
ずばなるまい、開演2時間前に家を出ました
いつものように読売新聞記者の鈴木女史がナヴィゲーターを務めますが、これが何の役にも
立たない、「上岡さんの経歴をご紹介します」といって配布済みのパンフレットの棒読み
上岡さんの解説のときも相槌を打つだけで、もう少し勉強してくればいいのにね
その上岡さんの解説、ショーソンと彼が影響を受けた師であるフランクの共通性を、詩曲や
フランクの交響曲をピアノでひとくさり弾きながら熱っぽく語ります
本日の「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のための協奏曲」とフランクの交響曲いずれも
「レ」の音で始まる、この音が重要なのだ、フォーレのレクイエムもレで始まると、これは合唱
パートをご自身でお歌いになりますが、歌はあまりお上手でなくちょっと安心しました（笑）
レの音から始めて半音で上昇と下降を同時にすると黒鍵と白鍵の配置がシンメトリーになる、
レは十二音の中心を成す、というのは面白い説明ですが、それですべてを表すのは牽強付会
ではありませんかね（あくまでも本日の曲目解説です）
ショーソンだけで解説は30分に及び、熱を込めて多くを語るのは同い年の大野和士氏にも
似ていて面白い、鈴木女史があわてて「先生、そろそろお時間が」と打ち切ろうとするのです
が、全く意に介さないので笑ってしまいました（フォーレの解説時間が無くなってしまった）
さてそのショーソンは、多分ナマで聴くの初めてだと思います、良く知る詩曲や愛と海の詩に
比べると激渋で、冒頭の「レラミ」がスローガンとなってさまざまに展開されます
この動きからするとニ短調なのですが、Fisの音が加わることがあるのでニ長調の要素もあり、
またロ短調にも傾き、この調性の浮動性がショーソンの音楽の特徴であるようです
弦楽は主に長音符でうねるような音楽を演奏し、そこを縫うようにピアノが縦横無尽に駆け
昇り、またおりる、上岡さんにいわせると仕事量が多い
予め演奏時間を調べずに来たのですが、47分という長大な曲でした
休憩後のフォーレは、ワタシの好きなベスト10に含むまれる曲ですから、これまでLP・CDで
何度となく聴いており、ナマで聴くのは初めてですが安心して聴けます（ショーソンの後だから）
冒頭のピアノのさざ波に乗せてヴィオラが跳躍の多いメロディーを奏でると、それだけで
座席に沈み込みます
このヴィオラの第一主題のメロディーの中に先ほどのショーソンのスローガンの音型が含ま
れるのですが、その点については何の説明もありませんでした（フォーレに関してはネタばれ
になるからと解説が割愛されていましたから）
フォーレもまた調性が揺れ動く、全音音階を多用して転調が行われるので、なにか果てしない
憧憬のようです（これがフォーレの魅力）
この曲について語り始めると、上岡さんのように際限なくなりますのでこれ以上は割愛します
フォーレも37分という尺ですので、本日のコンサートは休憩込みで1時間半には収まらない
どうもプログラミングに問題があるのでしはないでしょうか（ワタシは好きだからいいけれど）
当然のことながらアンコールピースはナシ、その代りヴァレンタインデイということでマエストロ
から本日の女性たちに花を贈る（これはドイツの風習らしいです）サプライズがありました
演奏者ばかりではなく、ナヴィゲーターの鈴木女史にも、譜捲りの女性にまで
終演は21時22分、この時点で東京駅33分発横須賀線を諦めました
1台遅らせて40分発なら間に合いますが、いっそのこと56分発にして待ち合わせの時間に
丸の内地下街のいろり庵きらくで鴨そばを本日の夕食に
日記脱稿は土曜日0時9分となりました
ログインしてコメントを確認・投稿する