ＩＲＡ再び？

ブレグジットの他国への影響が早くも出た感じだ。隣国アイルランド総選挙で既存の２大
政党を抑えて左派ポピュリズム政党シン・フェイン党が僅か１議席差の第２党に躍進。こ
の政党かつて北アイルランド問題でイギリスでテロをやりまくったＩＲＡの政治部門だ

ＩＲＡというとＵ２の初期の名曲「サンデー・ブラッディ・サンデー」だねえ。いわゆる
血の日曜日事件というヤツだな。まあそれぐらいイギリスと血みどろの抗争を繰り広げて
いたわけだが、イギリスもアイルランドもともにＥＵに加盟したことで国境が事実上無く
なった。なので抗争も自然消滅という形でなくなったわけだ

しかしここにきてイギリスがＥＵから抜けることになったもんだから、またぞろ復活して
きたというわけだな。ということはまたあの血みどろの抗争復活か！という期待に胸が膨
らむところだけど、残念ながらそれは無いだろう。理由は経済的に豊かになったからだ

ＥＵ加盟によってアイルランド経済は驚異的成長を遂げた。１人当たりのＧＤＰでは日本
の２倍以上ある。まあもうすぐ韓国にも抜かれそうな落ち目の日本と比べるのもどうかと
思うが、ＥＵ諸国内でもトップクラスの高成長を遂げた国なのである

ただしその内実は外資系資本によるウインブルドン化と格差拡大である。アイルランドは
法人税を凄く低くしたのでアメリカの大企業が続々とアイルランドに拠点を構えた。アッ
プルなんかが代表格だし、オイラが勤めていたストレージ大手もそのクチである

そしてそうした会社の社員の多くは北アイルランド、つまりイギリスに住んでいた。イギ
リスのほうが福祉が充実しているからだ。毎日クルマを飛ばして通っていたわけだ