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2020年02月01日22:58

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東響第74回定期@ミューザ川崎〜LSD ジョン王@浅草リトルシアター

ヘルムート.R.シルヴァ氏を客演指揮に迎えオールスペインプロ、シルヴァ氏はその名を見た感
じではドイツ系のようでありますが、プロファイルを拝見すると生まれ・育ちはチリだそうです
民族と国籍は、グローバルな現代においては必ずしも一致しないですが、文化的には育った
環境が優先するらしく、本日のスペインプロとなったのでしょう

もっとも、休憩前の第一・第二ステージはロシアと日本の作曲家による作品です
特に第二ステージの天野正道氏の作品はエスパニョール・ファルサと題されていて、スペイン語
には明るくないのですけれど、ファルサとはfalseでありましょう、偽りのというか、なんちゃってと
いうか、作曲者自身パロディと言っておられます
それでもスペインの雰囲気はどちらも充分に感じられました

天野正道という作曲家は、本来であれば全然未知の名前なのですが、吹奏集団風の和の演奏
会で知っております、映画音楽やコンピューターゲームの音楽を多く作曲されている方で、シル
ヴァ氏がどうやってこういう音楽を知ったのか(日本といえばゲームなのかな)
原曲はやはり吹奏楽曲で、本日は管弦楽版の初演ですが、トランペット・ソロを伴い、それは日
米ハーフのエリック・ミヤシロ氏が担当、ハイトーンの超絶技巧を披露されました

休憩後は今を時めく(らしい)ギタリスト、ラファエル・アギーレ氏をソリストに迎え、これは久し
ぶりに聴きますアランフェス協奏曲、アギーレ氏はマドリード在住ということですから生粋の
スパニッシュでしょう
ギター協奏曲というのは音量的に難しく、オーケストラは縮小されて10型、改めて知りましたが
打楽器は用いられません、ギターにはPAを噛ませていたようですが、それでもソットヴォーチェ
で弾かれますので、スペインとはいっても随分大人し目な感じがしました(ちょっと眠くなる)

「ドウモ・アリガト」と日本語で挨拶した後、「カヴァティーナ、バイ、ナントカ・マイヤーズ」とアナ
ウンスしましたので、これは映画ディア・ハンターの主題曲でしょう
タルレガやソルがあるだろうに、これでオールスペインプロではなくなりました
まぁ美しい曲だから、それはそれでいいのだけれど

最終ステージはファリャのバレエ組曲「三角帽子」で、再び賑やかな曲調に戻りました
とはいっても演奏時間15分であっという間に終わってしまう、今日の演奏会は短めだなと
思っていたらオーケストラ・アンコールもあってファリャの「はかなき人生」からで締めました

この後浅草に移動して、れんげ食堂Toshuでスタミナ丼により腹ごしらえの後、楠美津香さん
の一人シェイクスピア、本日は英国王室史上サイテーの王と言われたジョン王の物語、ワタ
シは2009年と2015年に観ておりますので本日が三度目
それでも一応小田島訳には目を通し、前回と同じく前史である「冬のライオン」の映画版DV
Dを鑑賞しておきました

しかし何度観ても美津香さんの一人芝居は面白い、ちょっとダメ王にしてはカッコよすぎる
キャラで、むしろ本来快男児の設定である(だから名だたるシェイクスピア俳優は、タイトル
ロールよりこちらを演りたがる)私生児フィリップを茨城県民にしているところが楠流です
面白すぎるので、いつもそのギャグのすべてを覚えていられない、だから繰り返し観ても飽き
ることがありません

ヘンリー二世を継承する王位を巡る兄弟の争いが「冬のライオン」で、その兄弟の末っ子で
本来王位継承順位の低いジョンが兄の長子であるアーサー王子を亡き者にしようとするのが
本日の「ジョン王」、これはその後の薔薇戦争に繋がって行きます
今年はその薔薇戦争六部作に加えてヘンリー八世までを一挙に連続上演する計画のようです
折しも新国立劇場では鵜山君が数年がかりで手掛けてきた薔薇戦争シリーズをリチャード
二世で今年完結させるとのことです
どちらも見逃せませんね
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