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2019年12月23日04:26

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読書日記3作まとめて

写真は順に
*西加奈子「i」ポプラ文庫・表紙
*恩田陸「錆びた太陽」(朝日文庫)表紙
*恩田陸「不連続の世界」(幻冬舎文庫)表紙

西加奈子「i アイ」
本の腰巻に又吉直樹さんと中村文則さんの絶賛のお言葉…
私はそこまで感動しなかったけど、西加奈子らしい作品だ。
米人の父と日本人の母の元にシリアから来た養子のアイ。
裕福な家庭にもらわれたアイだが、出自を考えると自分より貧しい移民の家族や、戦火で苦しむ人、震災の被災者たちに思いを馳せて、子供の頃から自分だけ幸せになってはいけないのではないかと思い悩みながら育つ。
裕福な生活を恥じながら、何も行動できないまま大人になったアイがどうなるのかは読んでお確かめを。

恩田陸の錆びた太陽はSFだ。
超人、超能力、幽霊を扱った題材は読んだことがあったが、SFは初めてかも。
環境保護団体からの再三の原発廃止要望を聞き入れなかった日本は、団体によって見せしめとして国内の原発を全機破壊され、日本各地が放射能汚染されていた。
立ち入り制限地区ではロボットだけが土地の調査と改良業務に携わっている。
SFの巨匠アイザック・アシモフが「われはロボット」で想定したロボット三原則に則ったウルトラエイトと呼ばれるロボットたちは、どうやらこの小説では昭和生まれの、しかもおっさんが設定したと思しき名前と行動様式を持つ。
これには笑えるが、国力の回復を望めない日本の政府が画策する計画は笑えない。
国税庁から派遣された人間の女性・財護徳子とウルトラエイトたちは、ゾンビと化した湯川博士と共に活躍する。
この本、面白い!

もう一つ、恩田陸の不連続の世界(幻冬舎文庫)。
主人公・塚崎多聞がいく先々で経験する不可解な事象を扱ったライトなホラー短編集は、中々面白かった
これより先に、同主人公で「月の裏側」というホラー作品があるらしいので読もうと思う。
そちらを読めば、なぜこんなに不可解な事象に遭遇しやすいのか、わかるかもしれない…が…
2016年に出たJ・ディーヴァーのキャサリン・ダンス・シリーズ「煽動者」が文庫になったので読み始めたから、恩田さんのはだいぶ先になりそうだ。
直木賞&本屋大賞をW受賞した「蜜蜂と遠雷」は、受賞前に読んで本当に素晴らしかったと思うし、すでにブログでも書いてるからね。
https://bambi-yuuki.at.webry.info/201807/article_3.html
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