『羅小黒戦記(ロ シャオヘイ センキ)』
京都・出町座にて。
東京でイベント上映されて連日満席。好評を受けて限定的に公開中の中国産長編アニメ。
噂にたがわぬ面白さ。主人公の小黒(シャオヘイ)は可愛いし、ギャグのテンポ、アクション作画も決まっている。イケメンキャラ続々、高橋留美子的面妖キャラぞろぞろでゴージャス。
シャオヘイは小さな黒猫の姿をした妖精。棲みかにしていた森を人間の開拓で追われ、迫害されながら放浪するうちに様々な妖精の仲間や人間と出会う。妖精には人間排除派と共存派がおり、彼らの戦いに巻き込まれたシャオヘイは不思議な力を持つ人間ムゲン(无限)と出会い、旅をすることになる。
普段は黒猫で人間の男の子の姿にもなれるシャオヘイがどちらも可愛い。他のキャラも多彩。シャオヘイと同じ年頃のツンデレっぽい子狐妖怪もいて、ゆくゆくはシャオヘイとも絡むのだろうか。
フラッシュアニメだそうだが、太めの輪郭線と丸っこいキャラデザインに日本では失われてしまった懐かしさと温かみがあって、それが表現や話と合っている。
元は中国の人気webアニメで、これが初の長編化。今回はシャオヘイとムゲンの絆が結ばれ旅に出るまでなので、シリーズ化を予定しているのだろう。期待大だ。
既に安定的な人気を得ているからか、こうすれば受けるだろうという下心なしに、とても素直に作っている印象。自分たちのやりたいことだけを楽しんで描いている感が強く、見ていて好ましい。
プロフェッショナルというより良く出来た同人アニメの趣きもあって、その意味でダイコンフィルムに近いのかもしれない。
主要キャラクターは古風な衣装なのにスマホやバーガーショップとギャップのある世界観が面白く、イケメンなのに料理ベタなムゲンや、美味しいものを見ると目がキラーンとなるシャオヘイなどキャラも立っていて、そのスジの人なら二次創作で本が作れそう。
ドラゴンボール、ナルト、もののけ姫、AKIRA、等々、日本のアニメを浴びるほど見てきたのだろうなと思わせる。そしてそれらがものまねでなく、すっかり自分たちのものになっているからすごい。日本はうかうかしていられないどころの話ではないのだ。
私の推しはナタ(=ナーザ)。スタジャンみたいな服装。シャオヘイに髪型を誉められて、トレードマークでなけりゃやめてるとジト目でブーたれるところが可愛い。
中国語版も雰囲気があって良いのだけれど、イケメンボイスな声優を揃えて是非日本語版も作って欲しい。
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