mixiユーザー(id:7170387)

2019年10月11日06:03

119 view

集団と犯罪暴走のメカニズム

社会生活を営む上で、他人から受ける影響は思ったより大きいと思います。私たちは多くの場面で、意志や態度を自己決定せず、身近な集団との同調行動をとっています。事実、自分以外の人間が全員そろって誤った方向に動いているとき、一人だけ従わずにいるということは非常に難しい事だと思います。

犯罪がグループ単位で行われた事件でも、しばらくそのような力学が働くようです。その例として、1988年に起きた2つの事件、「女子高生コンクリ詰め殺人」と「名古屋アベック殺人」において、犯人の若者たちは、被害者に凄惨なリンチを加え、最終的には被害者の命まで奪っています。

激しい暴力シーンに直面すると気分は高揚して相互刺激作用により、興奮が互いに伝染しあうという心理が働きます。そして結果的に、普段ならそこまではしない残虐行為へと至り、歯止めがかからぬ状態となってしまうようです。

また集団行動がよりエスカレートするのには、さらに2つの原因が考えられると言います。「集団思考」と「集団極性化」です。集団思考は、正しい判断よりもメンバーの意見の一致を優先するというものです。

また集団極性化が見られると、個人で行う際より、ずっと危険で極端な決定がなされてしまうのです。つまり、ともに目の前のリアルな現実を無視する傾向があるのです。危険な状況で集団を導くものに、リーダーの人格という要素もあります。

例えば、1971年に発生した「連合赤軍事件」や、1989年以来過激化した「オウム真理数事件」の場合です。この場合、それぞれの集団を凶行へと走らせたリーダーの責任は限りなく重大でしょう。

両事件のリーダーは、いずれもナルシズム的なパーソナリティーという点で類似した資質の持ち主といえます。自己誇大感、顕示欲が大変強い一方で、共感性が欠除しており、他人を奴隷の対象としか考えないなど。そんな人物が、勝手な思い込みによって集団を引っ張ってゆくと、行く先には予想もしない悲劇が持ち構えているのです。

5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年10月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近の日記

もっと見る