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2019年09月23日16:58

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オペラトーク エフゲニ・オネーギン@新国立劇場オペラハウスホワイエ

新国立劇場新シーズンオープニング作品の解説が行われるというので行って参りました
まず今回の作品タイトルのカタカナ表記ですが、慣例である「エフゲニ」に対し「エウゲニ」と
なっています、それは何故かを知りたかったのだけど、特に説明はありませんでした
多分キリル文字による表記ではなく欧文のスペルがEugeneなので、それに引っ張られたのかな

ドイツ語ではオイゲン(例えばヨッフム)、英語ではユージン(例えばオーマンディ)なので
ロシア語圏以外ではエウゲニと発音するのかもしれません
キリル文字ではBと書き、これに相当する英語の発音はVであるとされていますので、エヴゲニ
が正しいのかもしれない(だとするとチャイコフスキーはどうなるのかな)
今回タチアーナを歌うソプラノ歌手の名はエフゲニア・ムラーヴェアと表記されており、不統一が
気になるところです

今回の解説者一柳冨美子さんが発音指導や字幕の作成をされたそうなので、彼女の考えが
あったものと思われますが、解説の時に口では確かに「エフゲニ」と言っていますので、どうも
よくわかりません

ま、いっか

上方漫才で中田カウス・ボタンというのがいますから、そんなものでしょう(ウ音便?)
ワタシは耳になじんだ「エフゲニ」で行かせていただきます

新国立劇場に行くのは、いつものように運賃を最安値にするため、横須賀線〜東横線〜
井の頭線〜京王新線というルートですが、渋谷駅の乗換に時間がかかる
それについて先日のタモリ倶楽部で裏技を紹介していました
これまでは宮益坂中央改札口を利用していたのですが、それだと地下5Fからエスカレーターで
昇るのに無駄な動きが多い、それを田園都市線のプラットフォームの上を突っ切る形で
ハチ公改札に出ると、エスカレータの昇りの方角が井の頭線方向と一致するため、昇るのと
前進するのが同時にできて無駄がない、所要時間が2分は違います

というわけで初台に着きました

一柳さんはロシア文学者で、チャイコフスキー作品にも造詣が深い
物凄い早口でプーシキンの原作に言及しながら語るため、内容の濃い(深さよりは多さ)
解説でしたから、そのすべてをここに紹介するのは困難であります
ただ、ワタシはMET LVの感想の時オネーギンをいけすかない男と書きましたが、それは誤解
というもので、チャイコフスキーがオペラ化する際に原詩のオネーギンに関する部分を大幅に
省略したため、彼の大人さ加減が正しく伝わっていないせいだ、と一柳さんは主張します

タチアーナに初めは冷淡なのも、彼女は高校生の年頃なので、それに対して大人のオネー
ギンが取りあわないのは当然だし、レーンスキーとの決闘も、本来望んでおらず、殺して
しまったことを深く悔やんでいる(今回の演出はそこを強調している)とのこと

それではそういう視点で観てみましょう

演出家のベルトマン氏は陽気で話好き、後で一柳さんが暴露したところによると、一時間前に
事前打ち合わせした時と話の内容が全く違うそうで、今回の演目の話はほとんどせず、彼が
1990年23歳の時に立ち上げたモスクワ・ヘリコン・オペラのデビュー当時の思い出話ばかり

最初の公演は満席だった、但し60人だったけど、と笑いを取り、それはパパとママとジャーナ
リストだけで、翌日には客が激減、三日目にはゼロになった
客がゼロでは上演できないなと関係者で話し合っていたところ、足音が聞こえて客が一人
現れた、それは誰あろうスビャトスラフ・リヒテル氏であった

なーんて話で終わってしまいました

ただ、今回の演出は1922年のスタニスラフスキーの演出を復刻するもので、しかし単なる
コピーではない、彼のシステムに則って演劇性を重視するものであるとのこと
時代読み替えなども行わず、あくまでもプーシキンの原作を尊重し、その時代を表現する
ものであるそうです

多くは語らぬが乞うご期待、というところでしょうか

帰りは逆ルートを採ったのですが、井の頭線渋谷駅の改札を出たところで若い男二人
向き合ってハグしながらお別れのキスをしていました(二度見してしまった)
ここは渋谷なのねー
今日のオペラトークではチャイコフスキーのそういう嗜好については触れませんでした
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