「スウィングガールズ」、「ハッピーフライト」の矢口史靖監督による、ミュージカル・コメディ映画作品。
遊園地で出会った怪しげな催眠術師によって、「音楽を聴くと踊りたくなる」催眠をかけられてしまった主人公。
催眠術を解いてもらうために、行方不明になった催眠術師を探して、歌い踊りながら奔走するというストーリー。
邦画には「ミュージカルはヒットしない」というジンクスがあって、和製ミュージカルにはほとんどお目にかかる機会が無いんですよね。
洋画だと、最近では「レ・ミゼラブル」や「ザ・グレーテスト・ショウマン」、大人から子供までみんな大好きディズニーアニメの実写版など、日本でも大ヒットした作品がたくさんあるのに…。
個人的には、日本にはミュージカルを熟知した作り手がいなくて、センスが無いだけだと思いますが。
作中で、主人公が「ミュージカルの面白さが分からない。登場人物が突然歌い始めたりする…」という台詞を言い放ったのは、「ミュージカルが嫌い、分からない人」の代弁ですね。
そこから始めるのなら、「ミュージカルって、何なの?」という初歩的な疑問を、矢口史靖監督の個人的な見解で、簡単でいいからストーリーの中で解題して欲しかった。
狸がもし「ミュージカルとは何か?」と問われたら、正解か間違いか?は置いておいて、こう答えます。
「歌」は元々「訴える」という言葉が語源。
ミュージカルで登場人物が「歌う」のは、自分の心情を観客へ「訴えかける」という意味です。
ストーリーが、ところどころでテンポが悪くなったりしますが、先の展開が読めなくて飽きずに見られました。
使用されたおもな曲は
山本リンダ「ねらいうち」
井上陽水「夢の中へ」
キャンディーズ「年下の男の子」
シュガー「ウェディングベル」
サディスティック・ミカバンド「タイムマシンにお願い」などなど…。
50歳以上には懐かしい選曲で楽しい。
「古びないever greenな選曲」は、時代を超えて古さを感じさせない…、という意味で間違いがないと思います。
しかし、その反面、10~30歳代の興味を惹く選曲が無くて、見る人を選ぶところが惜しい。
ストリートダンスがテーマの場面もありましたが、わずか一曲だけで訴求力に欠ける。
お金や大人の都合もあると思いますが、米津玄師、あいみょん、WANIMA、RADWIMPSなどの現在で話題のミュージシャンや、AKBや坂道グループ、ももクロ、モー娘などのアイドルの「今の曲」を2~3曲入れていたら、もっと面白さの幅が広がって印象が違っていたはず。
主演の三吉彩花の清楚なイメージと歌声が印象的。
面白かったw
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