菅田将暉演じる元帝国大生の天才的数学者が、山本五十六の要請で、新造される超弩級戦艦の採用にまつわる不正を明かし、その建造を阻止しようとするストーリー。
予告編やテレビCMでは「戦艦大和の弱点を暴く」とされていましたが、主なストーリーは「新造戦艦の値段を、資料が全くないゼロの状態から割り出す」というもの。
ここだけ書くと、とても地味で退屈そうです…。
作品のクライマックス「新造戦艦採用の最終会議」までは、主人公が問題を2週間以内に解決しなければならないというタイムリミットがあって、緊張感があり面白い。
戦闘シーンは、冒頭5分の沖縄での「戦艦大和の最後」だけ。
ここは作中で最も迫力があって見応えがありました。
精密に再現された戦艦や戦闘機の描写には、ただただ唸るばかり。
撃墜された戦闘機から脱出して海上に浮かぶパイロットを、米軍の飛行艇が回収するシーンは、映画作品では初めて見た!
映像は文句無しです。
ただね、ラストも含めて色々と違和感がある。
「世界最大の戦艦を軍隊が持つことによって、日本が戦争を始める」
みたいなセリフが出てきましたが、それはちょっと違う。
作品はフィクションで、「戦艦大和」を「軍国主義」ひいては「当時の日本」の象徴であるかのように描いていましたが…。
1930~1940年代当時、欧米は東南アジアやインドなどを資源獲得の為に、こぞって植民地化していました。
歴史上、世界征服まであと一歩だったと言われていたのは、西はヨーロッパ、東は日本まで侵攻した、チンギスハンが率いるモンゴル帝国。
そのモンゴル帝国を上回る「歴史上、占領した地域の総面積が最も大きい国」は、当時の大英帝国。
資源が乏しい日本が、それらの欧米列強に対抗しなければならなかったのは必然というものです。
そういう歴史的背景については色々書きたいのですが、本題からずれるので割愛します。
変人を演じさせたら右に出る者がいない菅田将暉が面白いw
あまり話題にならないのですが、浜辺美波は正統派の清純派女優。注目しています。
帝国海軍の幹部を演じていた舘ひろし、國村隼、田中泯、橋爪淳の貫禄がある演技は、さすがの安定感。
主人公の天才的な数学の才能はさすがに荒唐無稽で、やりすぎな感が否めませんでしたが…。
面白かったw
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