そういう消費者を平気で世に放っているのは教育行政だよな…

既につぶやきを投稿したのだが、
http://mixi.jp/view_voice.pl?post_time=20190724212231&owner_id=6972928
つぶやきでは短すぎるので
続きを日記にした。冒頭はつぶやきと被っている。

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■京アニを「麻薬の売人以下」と表現　放火事件めぐる大学教授のコラムが非公開に　「不適切な発言があった」
(BIGLOBEニュース - 07月24日 19:48)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=258&from=diary&id=5720260

芸大教授の分析には一理あるのだが、
問題の本質は創作側が責めを負うのではなく、
夢と現実の区別がつかない人間を野に放つ
稚拙な教育制度にある。

わたしは改変前の全文(多分初版の4ページ版)を読んでいるのだが、
前文にある

> だが、
> 彼らがいつまでもおとなしく夢の買い手のままの立場でいてくれる、
> などと思うのは、
> 作り手の傲慢な思い上がりだろう。

というのは、
「それが対象消費者の現実」
なのである。
現実を理想で否定しても何も得られない。
そういう意味では芸大教授の視点は的を的確に射てはいるのである。

また、べつに重度の妄想ヲタの衝動に限らず、
共通体験時代への執着とそれに有名モノを絡めて鬱憤晴らしに走るような
精神構造が実は普遍的に存在してしまっているのは
AKBの切りつけ事件などを思い出しても分かるだろう。
(AKB入山川栄傷害事件は本人たちへの執着ではないことになっている)

確かに、制作ビジネスに節操がなかった面もあるのだろうが、
ビジネスって市場が求めるものを供給することが前提なので
国家法などで禁止が事前に規定されている場合、
及び容易にそれに準ずる公序良俗に反するものでなければ
そこには自由が保証される。
別に誰かが「保証」を与えるとかいう意味ではなく
大前提が「自由」だということね。少なくとも今の民主社会では。
この社会で異分子の発生を前提にすることを強要するには
それを共通認識として法制度化する手順が必要なのである。

妄想客で金儲けしているのは
べつに学園モノだけでなく準エロ系作の量産もそうだし
山程あるヒーロー/ヒロインものもそうで、
角川なんかも同様に批判してもいいんじゃない？(笑)
せいぜい、京アニだけでなくこの業界全体に対して
「配慮が欠けたね」という反省の促しくらいは
まあ、アリかな？とは思うが、
ここまでの糾弾を行うのは責任を負わせたい対象の視点が
創作側のみに偏りすぎている。
仮に実行犯側の都合を

「仕方ないこと」

と同情したいのだとしても、だ。
それなら寧ろ
そこに共通体験からの脱却ができない程度の出来で
人を野に放った稚拙な教育行政の糾弾が先に来ないと
おかしいのでは？
社会システムって
「そこがちゃんと認識できる」
という最低条件が担保されないと維持できないよね？
この場合、共通体験は共通体験であって
今生きている現実で購入した創作物とは
直接的な関係があるわけではないということすら認識できない、
言い方は悪いが

「不良品」

を平気で世に放出したのは、
その社会システムの最低条件を日本の場合「義務教育」なる課程で
仕込まなければいけない教育行政システムの欠陥に他ならない。

共通体験をもとにした題材に共感が得られやすいのは
成長の過程からも、ある意味「仕方がない」ことでもあると思う。
なぜなら、その過程が一番多くの可能性の枝葉を伸ばす時期であり、
つまりそれら選ばなかった枝葉は捨てた可能性に対する後悔や
後悔まではいかなくても
「もしも」的仮定想像を生やす種になるからである。
創作の商品に最も適している題材の一つであると言えよう。

そこを最初から使うな、使ったのがバカ、使うやつは害、とか言うのは
それこそ「偽の夢」の中で
「自身もまたその夢の中毒に染ま」っている状況にある。
この教授は自身の発想がまた自身の言動にも適用されうることを
認識したほうがいいよな(笑)。

兎に角、大衆のレベルが低すぎるんだよ。
理想論で前提とされている大衆レベルに全然達していないのに
理想的な社会システムが可動できるものだという妄想の中で
ぬるま湯に浸り続けていたい、という
社会全体がこれまた「偽の夢」で「その夢の中毒」に溺れている。

この批判投稿をした教授もまた、
義務範囲ではないので批判のど真ん中ではないにしても
その稚拙な教育システムの一旦を担っている。
そういう意味でこの教授には自身の視野の偏りを
是非とも自己認識してもらいたいものだ(嗤)。