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2019年07月07日19:32

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カリフォルニア州の地震の原因となるサンアンドレアス断層について

今回我々日本人が直面する地震活動について書きました。個人的に東日本大震災が起こった後、日本列島を中心に、世界各地の地震活動について勉強しました。とりわけ日本列島は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートが交わる、世界で稀に見る複雑な地形なのです。地震活動は、避けられないことを実感しました。

今回文章の作成に当たって、以下の番組や文献を参考にしています。

・ヒストリーチャンネル 地球の歴史 サンアンドレアス断層

・サンアンドレアス断層 ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%82%B9%E6%96%AD%E5%B1%A4


・新MUのブログ https://ameblo.jp/agnes99/entry-12490345829.html

 見本となる写真

 写真左    カリフォルニア州の地形 赤色が断層線を示す

 写真真ん中 1906年のサンフランシスコ大地震により損壊した柵

 写真右    ロサンゼルス市の避難訓練の様子


 現代の最新科学技術を持ってしても、事前に地震を予測することはできません。専門家は過去の地震活動を調べ、地域ごとに今後30年以内に発生する確率を発表しています。

 東日本大震災から8年が過ぎ、ようやく地震活動が収まりつつあるものの、依然として予断を許さない状況が続いています。

 日記の舞台は、アメリカ西部カリフォルニア州です。カリフォルニア州は、アメリカの中でも、アラスカ州と共に地震活動が活発な地域に上げられます。

カリフォルニア州南部では、現地時間の7月5日午後8時19分に、マグニチュード7,1を観測する地震が起こりました。震源域はロサンゼルスから240km離れた小さな町リッジクレスト郊外の砂漠地帯になります。

 震源域に程近い町リッジクレストでは遅い夕食をとっていたファミリー世帯もいたことでしょう。突如襲ってきた揺れに人々は冷静に対応できず、火災被害が多数報告されています。幸いにも死者は出ていません。

 なお同地域では、前日にもマグニチュード6,4の地震が起こっていました。翌日発生したマグニチュード7クラスの地震の前震とみられています。マグニチュード7クラスの本震と前震のエネルギーの差は11倍です。

 なお地震の規模を示すマグニチュードは、1上がるごとにエネルギーが32倍も上昇します。

下記の図を見てください。引用元 地底のふしぎ http://kagakubar.com/earth/02.html
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 マグニチュード1クラスだと、破壊される断層の長さはわずか40m、一方東日本大震災級のマグニチュード9クラスの地震を引き起こす断層の長さは420kmにもなるのです。

 日本の国土面積の1,1倍になるカリフォルニア州では、以前から南部地域でマグニチュード7クラスの地震が起こることは確実視されていました。

 なぜなら全長1300kmの巨大な横ずれ断層が、南北に細長いカリフォルニア州を貫いているからです。名称は、州内のサンノゼ市にある貯水池の名前をとり「サンアンドレアス断層」といいます。

 以下の写真は、カリフォルニア州の地形図になります。赤い線がプレート境界となる断層線を示します。3000万年前に、海側の太平洋プレートが、陸側の北アメリカプレートに衝突して、沈み込んだことにより、断層が形成されました。

 断層を境に北上する西側の太平洋プレートに対して、東側の北米プレートは南へ動いているのです。
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 断層線とは、いわば岩盤の亀裂です。地中の岩盤が周期的にずれることにより、地震波が発生するのです。断層がずれた場所にあたる震源域に近ければ近いほど、揺れは伝わりやすく、建造物に大きなダメージを与えます。建物の倒壊や火災を引き起こし、時に人々の命を奪うのです。日本列島に住む我々は、度々大きな地震を経験してきました。

 カリフォルニア州を南北1300kmに渡って貫くサンアンドレアス断層は、横ずれ断層といいます。2000万年前に活動して以来、累積変移量は400kmに達しました。

1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災を引き起こした野島断層は、この横ずれ断層に分類されます。

 カリゾ平野上空から撮影した写真です。断層が地上に現れています。
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断層のずれによって、干上がった川が曲がっています
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 断層には、ずれる方向によって、正断層、逆断層、横ずれ断層と3つに分類されます。詳しくは下記のページを見てください。

 日本地震本部 https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_fault/


 右よこずれ断層に当たるサンアンドレアスは、北部、中部、南部と3つのセグメントに別れています。なお断層を境に海側は北へ、反対に陸側は南へ動いているのです。すれ違う二つのプレートは、普段固着していて、静穏を保っています。それぞれ3つのセグメントごとに、200年周期でおよそ一気に6mも動くのです。断層のずれ幅と地震のエネルギーは比例します。

 プレートの動きがすれ違うサンアンドレアス断層の存在が始めて明らかになったのは、1906年4月18日に発生したサンフランシスコ大地震になります。地震の規模を示すマグニチュードは7,8.ほぼ全壊した建物は全体の10分の1にあたる2万8000棟、死者は3000人と推定されています。当時町の人口は30万人、100人中1人の割合で尊い命が奪われました。

 地震による損壊物を見ると、一つのラインを境に、折れ曲がっているのです。

 列車のレール
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 道路です。
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 こちら真二つに引き裂かれた柵の状態から地下にある横ずれ断層の存在が明らかになりました。
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 もともとこの柵は断層にかかっていました。断層の左側が北へずれたことにより、二つに割れ、2,4mも開いたのです。

 下の写真の人物アンドリュー・ローソン氏は、地震の原因となったサンアンドレアス断層の存在を突き止めた人物です。当時カリフォルニア州立大学に所属してた断層の名付け親でもあります。
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 カリフォルニア州では、サンアンドレアス以外にも、数々の断層の存在が明らかになっています。州北部のサンフランシスコ近郊では、1989年10月19日にマグニチュード6,9を観測したロマ・プリーター地震の発生により、死者62人を出しました。奇しくも地震が起こった日、大リーグのワールドシリーズ 第3戦の試合前でした。被害地域のサンフランシスコに本拠地を置くジャイアンツと隣接するオークランドに拠点を構えるアスレチックスとのシリーズは、地震に伴い、一端中段を余儀なくされました。町の復興に従い、10日後シリーズが再開されたのです。地震を引き起こしたのは当所サンアンドレス断層との見方もあったものの、後に別の断層の可能性が指摘されました。震源域は、地震の名前の由来となった都市郊外のロマプリーター山でした。

 アメリカ地質調査所は、サンフランシスコと隣接するオークランド市には、サンアンドレアス断層を含む6つの活断層があると公表しました。それぞれの断層の活動周期を調べた結果、サンフランシスコ近郊で、再度マグニチュード7クラスの地震が起こる可能性が高い、と結論を出しました。

 同地質調査所は、2032年以内にサンフランシスコ市と隣接するオークランド市近郊で、大地震が起こる確率は62%と発表しました。

 今最も危惧されるのが、カリフォルニア州最大都市である人口300万人のロサンゼルスです。

 前述したとおり、サンアンドレアス断層は3つのセグメントが、それぞれ推定200年周期で活動します。

 サンフランシスコがある北部セグメントは、1906年に起こったマグニチュード8クラスの地震により、エネルギーが解放されています。中部セグメントは、1857年にマグニチュード7,9を記録したフォーテフォン地震が発生しました。あと50年は静穏状態を保つ可能性があります。

 ロサンゼルスが位置する南部セグメントは、300年間もエネルギーがたまっているのです。最後にエネルギーが解放された1700年代は、スペイン人開拓者が集ったわずか100人の小さな村でした。その後、幾度かサンアンドレアス付近の断層活動による地震が発生したものの、大きな人的被害は受けていません。

 近年ロサンゼルスを襲ったのは、1994年1月17日午前4時30分に発生したノースリッジ地震です。震源域はロサンゼルス郊外のオックスナード市の地下15km、地震の規模を示すマグニチュードは6,7です。死者72人、負傷者1万人、経済被害額は200億ドルから300億ドルになりました。地震の原因は、サンアンドレアスではなく、オークリッジ断層といわれています。25年たった現在、地震の傷跡は跡形もなく消えています。

 ロサンゼルス近郊でマグニチュード8クラスの地震が発生した場合、大規模火災に伴う停電など2次災害が加わり、都市機能は確実に麻痺します。

 カリフォルニア州南部でマグニチュード7クラスの地震が起こる確率は元々99%と発表されていました。実際2019年7月5日に起こりました。

 今後の問題は、大地震がロサンゼルスを直撃するか否かです。アメリカ地質調査所は、マグニチュード7,5を越える地震がロサンゼルス近郊で発生した場合、最大死者2000人、負傷者5万人、経済被害総額2000億ドルと発表しました。

 ロサンゼルスは、定期的に地元の消防局と警察、救急隊が連携して、避難訓練を実施しています。築年数が新しい高層ビルは、長周期の強い揺れにも耐えられるようになっています。

  避難訓練の様子
 
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  ロサンゼルスの防災センター
 
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 カリフォルニア州で起こる地震は対岸の火事ではありません。

 日本列島では、東日本大震災後、相次ぐ地震に見舞われてきました。我々日本人は、非常に防災意識が高くなったでしょう。

 各家庭では、10日分の保存食の確保、停電に備え懐中電灯を複数常備する。家具を固定するなど、日頃から備えなければなりません。集合住宅では、普段から住民同士が接しあうことが必要です。災害が起こって断水や停電が起こると、近隣住民同士の協力は欠かせなくなります。

 地震活動は、人為的に阻止することはできません。日本では、列島各地で大地震が起こるたびに、建物の耐震基準が見直されてきました。現在、首都圏の湾岸地域を中心に次々と立てられるマンションは、南海トラフ地震の発生に伴う長周期地震動にも耐えられるようになっています。

 日本列島と同じく、アメリカのカリフォルニア州でも、地震に強い街づくりが求められます。

 今後両国で被害が起こらないように、願うばかりです。

 
 参考文献と引用した写真 有料放送ヒストリーチャンネル 地球の歴史 サンアンドレアス断層
        
                  ウィキペディアのサンアンドレアス断層

 
 

 
  






















■米カリフォルニアでM7.1の地震 20年間で最大規模
(朝日新聞デジタル - 07月06日 13:27)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5694794
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