mixiユーザー(id:3097688)

2019年07月07日03:15

230 view

朗読会・岡本綺堂の世界

写真は順に
*朝麻陽子朗読公演「くろん坊」チラシ
*般若心経をバックにした朝麻陽子さん
*「岡本綺堂怪談選集」(小学館文庫)

朝麻陽子さんの朗読公演、下北沢ピカイチにて岡本綺堂の「くろん坊を聴く。
多忙でここ数週間、かなりの公演を見逃しているのだが、なんとか恩ある劇団の先輩・陽子さんの朗読会へ。
「くろん坊」は怖いというより切ない話だった。
くろん坊と呼ばれる異形の者たちは、人間と共存するために人間のために雑用をこなし、禄を食んでいた。
ある山に住む一家に美しい娘が居たが、ある時一家の主人が冗談で「娘が大きくなったら嫁にやっても良い」と言った。
真に受けたくろん坊は、縁談が決まった娘をさらおうとした。
怒り狂った主人はくろん坊を斧で滅多打ちにしてしまう。
深い谷底にくろん坊の死体を落とすが、切り取った頭部だけが潅木の枝に引っかかってしまった。
毎夜吹く風のいたずらでくろん坊の笑い声が響くように思われ、くろん坊殺害の噂で娘の縁談も破談になって、母娘は狂死、残った主人も首を谷に落とそうとしたが誤って転落死してしまう。
この家のは鎌倉で修行中の僧だったが、家族の訃報を聞いて郷里へ戻り、くろん坊の首の祟りを鎮めるために山にこもることになったが、その祟りはいつ終わるともしれないのであった。
古くからある差別や因習の物語である。

ピカイチはカフェなので小さな空間とは言え、この回は観客全員が知り合いで、終演後も話に花が咲いた。
ところで陽子さん、新潟から日帰りで2回公演とは凄い。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年07月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031