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2019年06月14日07:05

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空飛ぶタイヤと三菱自動車隠蔽事件

本を読み、映画を見て心打たれた「空飛ぶタイヤ」は池井戸潤原作の作品です。池井戸潤は「半沢直樹」のヒットにより有名になりました。空飛ぶタイヤは実話をもとにしたシリアスな作品となっています。走行していたトレーラーの巨大なタイヤが突然脱輪して、その大きなタイヤはあらぬ方向へ転がっていきました。

二人の母娘がタイヤに巻き込まれ、娘は軽傷で済んだのですが、母親は病院に運ばれそのまま帰らぬ人となりました。赤松運送の2代目社長である赤松徳郎は、トラック死亡事故の責任を負わされてしまいます。しかしトラックの整備は万全であり、会社はただの一度も点検に手を抜いたことがありませんでした。

しかしトラックの販売元である「ホープ自動車」は責任の全てを運送会社に押し付け、素知らぬ顔で事なきを得ようとします。社長である赤松はどうしても脱輪事故に納得がいかず、独自で調査を開始すると驚くべき事実が判明するのでした。空飛ぶタイヤのモデルは実話で実際に起った事故だったのでしょう。

三菱ふそう前会長含む7人が道路運送車両法違反や業務上過失致死傷の疑いで逮捕されました。容疑はトラックのタイヤ脱輪で母子3人が死傷した事故が発端で三菱は車両整備ミスと言い続け、組織ぐるみで欠陥を隠していたのです。再発防止の気持ちでリコールしておけば事故は未然に防止する事が出来ただけに三菱の対応のまずさが露呈されました。

三菱自動車は総会屋への利益供与事件、クレーム隠し、リコールと問題を次々に起こしている悪のイメージが強くなった企業です。会社幹部は常に業績が悪いので、巨額の費用がかかるリコールを避ける事と三菱グループのブランドを傷つけないよう安全よりも会社の利益を優先させる教育をしていたのです。

逮捕された7名は報道されたように、三菱ブランドや組織を守るためにクレームを隠したのではなく、自分の在職中は何事もないようにやり過ごしたかったみたいで、会社組織よりも自分を守りたいということだったみたいです。いずれにしても三菱自動車はこの体質を大改革しないと存続はありえなかったのです。

大企業だから名門だからということに関係なく、常に安全を意識する当たり前の気持ちをもう一度確認しなければならないでしょう。これでは、会社ぐるみの人殺です。一生かけても三菱を許さないという遺族の立場になり考えなくてはならないでしょう。汚れ朽ち果てたスリーダイヤを掲げた三菱自動車をみれば坂本竜馬も悲しむでしょう。

最近の犯罪傾向は故意又は限りなく故意に近い未必の故意によるものが多く、副次的に発生し、本格的な犯罪を形成する事件も多く見られます。三菱自動車の隠蔽事件発生時に、事故検証・事故調査を神奈川県警は犯罪実現者である、三菱自動車に依頼したのですが、明日はわが身と辞退され、事故調査ができずに隠蔽されたと思われます。

普通に考えれば、殺人容疑者にその殺人現場の検証を依頼したと同様の愚かしい間違いが神奈川県警にあったと言えます。映画と重なりましたが、この事態を国土交通省は認識し、三菱自動車、神奈川県警と共に、未必の故意による犯罪当事者と言えるのかもしれない。映画の最後で警察が正義に立ちあがった動きには感動しました。

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