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2019年06月03日16:58

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世界最悪の人道危機、イエメンの惨状をMSFがレポート

今朝「国境なき医師団」(MSF)の機関紙”ACT”が届きました。
「世界最悪の人道危機」と言われるイエメン内戦、実態はイランとサウジアラビアの代理戦争ですが、その実状は日本では殆どニュースになっていません。今回のACTはそのイエメンの現状を伝える特集でしたので、その一部をご紹介します。最後の方で出て来る地名のモカはあのコーヒーでお馴染みの「モカ」の昔の積出港です。生産地は対岸のエチオピアですが積出港がコーヒーの銘柄になっています。
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2015年3月に起きた武力衝突以降、内戦が更に泥沼化いているイエメン。人々を取り巻く過酷な現状とMSFが4年に亘って続けている医療援助活動の一端をお伝えします。

MSFが運営するシェイク・オスマン地区の病院では、2015年7月19日の一日だけで206人もの負傷者を治療しました。砲撃の標的になったのは貧しい労働者が暮らす人口密集地で、戦略的に意味があるとは到底思えません。搬送されてきたのは、大半が子どもや女性、高齢者でした。サウジアラビアが支援する暫定大統領派とイランが支援する反政府政力アンサール・アッラー(通称フーシ派)との戦闘は最近更に激化して、外科チームと救急チームは24時間体制で休む間もなく対応を続けていました。

市街地への攻撃が繰り返されただけでなく、医療施設までも標的となりました。更に2016年8月以降は、医療従事者への給料支払いが滞り、イエメン全域の医療体制が崩壊。2700万人の国民が受診できる病院は減る一方となりました。
また、空港や港が閉鎖され、物資不足に。「インフレも深刻です。人々は朝、昼、晩の食事を買うお金の余裕さえありません。」とプロジクト・コーディネーターのハキム・カルディは語ります。イエメンは今や世界最悪の人道危機といわれるまでに危険にさらされています。

14歳の少年ナセル君は野原で羊の番をしていて地雷を踏み、その日のうちにMSFで手術を受けましたが、右足を切断。骨が完全に砕けていて残せるものがなかったそうです。

MSFは刻々と変化する医療ニーズに対応するため、首都サヌアをはじめホデイダやモカなどでスタッフを増員し、大幅に活動規模を拡大。これまでに、コレラ患者11万人超の治療や救急患者97万人の受け入れ、約6万人の新生児の出産介助など、精力的に対応にあたってきました。しかしイエメンの医療不足は依然として深刻です。

MSFのイエメン人道問題担当アレックス・ダンは言います。
「私たちは、今後医療援助の規模を更にひろげる必要がありますが、人道援助団体の立ち入りが多くの地域で禁止されており、大きなジレンマを感じています。」

現地スタッフたちは、病院への空爆や拘束などの危険と背中合わせの状況下で、それぞれに生活面の問題も抱えながら、懸命に患者の治療を続けています。


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