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2019年05月30日16:24

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映画日誌「僕たちは希望という名の列車に乗った」

 実話に基づいているだけに、当時の東ドイツでの言論統制の状況などがリアルに伝わってくるし、こうした学生たちの西側への逃亡などが相次いだことから、後のベルリンの壁の構築に繋がったのでは?という時代背景も知ることができる。
 当時の社会主義国の反体制派への弾圧と、それと戦う若者、というのは決して目新しいテーマでも無いが、この映画の場合、むしろ家族愛、親子の絆と言うものに重点が置かれているのが注目すべきところ。
 自分の父親が、実はナチスドイツに寝返った裏切り者だったことを知った時の息子の衝撃、西側へ逃亡しようとする息子をあえて留めない父親、息子の逃亡に同行せず労働者としての生活を続けることを選ぶ両親。
 体制の中で生きていくか、自由を求めて反骨の姿勢を貫くか、まだまだ戦後の混乱した時代の中で葛藤する様々な世代の人間像を見ることができ、社会主義の歴史を振り返る勉強とともに人間ドラマとしても見応えがある映画だ。
★70点
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