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2019年05月18日20:24

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イランとアメリカの対立の危機は?

今国際情勢で一番に気になるのはイランを巡るトランプ政権の動きだと思いますが、昨夜入ったワシントン・ポスト紙のニュースレターが最新の情勢を伝えてきましたので、ご参考までに要訳してご紹介します。
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一体誰がイランに対する軍事行動を支持しているのか?
イランに対するアメリカの軍事行動には世界各国から反対の声が上っている。
同盟国からも声高な非難の声が上がり、ロシアやEUなどはアメリカに自制を求め行動
中止の声を上げている。
アメリカの議員たちの間でも反対の声が多く、情報の欠如に怒りの声も上がっている。
いつもイランを非難してきたトランプ大統領ですら、イランに対してもっと強硬な態度に出るべきだと主張するボルトン補佐官に抑制を求めていると聞く。
高官の一人が「大統領はイランとの対話を求めており、交渉を望んでいる」とワシントン・ポスト紙に語っている。

しかし一方では、ボルトンに同調する国もある。サウジ・アラビア、イスラエル、アラブ首長国連邦などだ。かれらは新しいアメリカ大統領がイランを抑えてくれることを期待し、トランプ大統領誕生以来、政権のご機嫌とりを続けてきた。

とりわけサウジはイランとの緊張を高めるよう声高に主張してきた。この木曜日には
サウジの事実上の首長であるムハンマド・サルマン皇太子の兄弟で防衛副大臣のカーリド・サルマン王子は、イエメンのフーシ派が犯行声明を出したサウジの石油施設へのドローン攻撃はイランからの指令に基づくものだったと発表。
「このテロ攻撃は、イラン政府から指令されたもので、進行中の政治的対話を妨害する目的でフーシ派テロ組織に実行させた。フーシ派はイラン政府が中東で勢力の拡大を図るための道具に過ぎない。」とツイッターに投稿した。

更に、サウジ政府御用達の新聞アラブ・ニュースが「イラン政府主導の最近の一連の行動に対して、アメリカは事態に対処する軍事行動を起こすべきだ」と報道。更に続けてシリアでの空爆もその選択肢だと示唆している。

ワシントンにあるサウジ寄りのアラビア財団のアリ・シハブ氏はツイッターに投稿し「イランとの戦争を起こすのは危険でもあり不要な行動だが、イランの革命防衛隊には痛い警告を与えるべきだろう。もちろん大規模な戦闘に陥る危険はあるがリスクは低いだろう」と語っている。

サウジのようにイランに対する軍事行動を支持する国もあるが、彼らも軍事衝突の危険性を危惧している筈だ。事実かれらが地理的にイランに近いことを考えれば、危惧するのも当然だろう。イランとの緊張関係の悪化に対するアラブ首長国連邦やイスラエルの反応の仕方がこの辺の事情を物語っている。

表面的にはイスラエルのネタニヤフ首相はイランに対する更なる強硬措置を支持すると表明している。火曜日に行われたアメリカ大使館のエレサレム移転一周年記念式典では「イスラエルも中東地域の各国も、更に平和を望む世界の全ての国々もイランの侵略的行為に対してはアメリカと行動を共にせねばならない」と演説している。しかしその裏では彼はもっと慎重のようだ。イスラエルのチャネル13ニュースのバラク・ラヴィッドによれば「ネタニヤフ首相はイスラエルの軍部と諜報部に対して、イスラエルは湾岸地帯での紛争に巻き込まれない為のあらゆる努力を惜しまないし、紛争に直接介入することは避ける。」と語っている。

周知のようにネタニヤフ首相は以前からイランに対する強硬姿勢を明らかにしてきた。
彼は2011年ごろ、当時のオバマ大統領の意向に反してイランに対する一方的な軍事行動を計画していると報じられたこともある。しかし乍ら、そのような軍事行動は失敗の可能性が高く、イランの手先のヒズボラなどとの新たな紛争を引き起こす危険が高いことで、ネタニヤフ首相もずっと二の足を踏んできた。

一方アラブ首長国連邦はイランとの紛争に関しては更に慎重な姿勢をとってきた。
先週末に湾岸水域でサウジの2隻を含む4隻の船舶に対して行われた破壊行為が誰の仕業か推測することは困難だとガルガシュ外相はこの水曜日に語っている。「われわれはイランの不当な行為に対しては断固追及する必要はあるが、同時に危険な状態に巻き込まれてはならない」とテレビ会見で語っている。
彼のこの発言は、アラブ首長国連邦はイランの影響力には厳しく批判し、アメリカに対してイランへの厳しい対応を求めるが、イランとの地理的な近隣関係と依然存在する両国の経済的相互依存関係を考慮すれば、全面的な武力紛争は避けたいというのが本音のようだ。

サウジ、イスラエル及びアラブ首長国連邦の強力な同盟関係はイランに対する共通の反感
とトランプ政権の後ろ盾があるからだろう。サウジとアラブ首長国は、イスラエルとのかっての歴史的な敵対関係を覆して現在の関係になったいきさつがある。そしてイランやムスリム同胞団などのイスラム教集団から受ける脅威に対抗する強力な同盟関係を築いた経緯がある。

この同盟関係は、オバマ政権がアラブの春運動を容認し、イランとの核合意を進めたことを中東の勢力均衡に変化をもたらすとの危惧から発生したものだろう。
彼らは新しく就任したトランプ大統領を擁護し、その努力が実ってトランプはイラン核合意から離脱しイランに対する制裁の再開に踏み切ったのだ。

しかしイランは黙ってこの圧力に屈した訳ではない。2015年に成立したオバマのイラン核合意をトランプは批判してきたが、今や彼自身がイランとの交渉を進めて行く気になったようだ。

今週木曜日に、スイスのMaurer大統領がホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領と予定外の会談を行った。テヘランのスイス大使館がイランにおけるアメリカの立場を代表していることに注目する必要がある。
ホワイトハウスはスイスを通してイラン側に電話番号を伝えている模様だ。但しイラン側は今のところ電話を掛ける気はないと言っているようだが。





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