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2019年04月05日11:27

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チネリのレーザーフレーム

■チネリのレーザーフレーム

チネリはミラノの郊外にあったステムやスチールフレームを作っていたファクトリー規模の工房です。チノ・チネリ氏が創業したファクトリーで、コロンブスのスチール製フレームチューブの卸業もやっていました。

チノ氏はアイデアマンで、シャフトを抜くとホイールのみ外せるインターチェンジハブや、ビンディングペダルの原型になるM71というペダルやクリートのシステムなども製造販売していました。

チネリはスチールのステム、アルミのステム、スチールのハンドル、アルミのハンドルを製造していました。息子のアンドレア・チネリ氏の代になって、コロンボ鉄鋼の御曹司のアントニオ・コロンボ氏にチネリを売却してしまいました。

コロンボ氏の会社になってからは、ミラノ市内にグランチクリズモというショップを開店したり、チタンのステムやチタンのフレーム。カーボンハンドルやカーボンステム、アルミ合金やステンレスチューブのフレームやカーボンフレームも発売しています。ブートレッグというセカンドブランドも設立しています。

ミラノの郊外にあったステムやフレームの工房は、80年台には一部スチールステムのファクトリーは稼働していましたが、フレームのファクトリーは生産を停止していて、台湾のファクトリーにスーパーコルサのフレームや、スチール製チューブやカーボンチューブのなどの生産を委託していました。

現在は、一部のフレームを除いて、再びイタリアの協力ファクトリーに生産場所を戻しているようです。カーボンフレームはフレームチューブの生産をアジアの協力工場に委託して、接着などの組み上げもアジアで行っているようです。

アジアに主な生産拠点を移していたチネリブランドでしたが、例外がありました。北イタリアのロマーノ市にある協力ファクトリーで生産されていたのがチネリレーザーでした。当時はレーザーアメリカ、レーザーレボリューションが生産されていました。

当時は現存したミラノ郊外のチネリのファクトリーには、フレーム製造のラインがあって、綺麗にペイントされたコルサレコードやレーザーのフレームが壁のフックに多数ぶら下げられて、いかにもファクトリーの見学者には、ここで作っているとアピールしていました。

レーザーは、スチール製の溶接フレームで、コロンブスのフォーン状やエアロ形状のスチールチューブを平面の常磐の上にスチールブロックを並べて、その上にフレームチューブを置いて、センターを出して当時は一番職人のファビオ・ボナイタ氏がティグ溶接で組み上げていました。

フレームの素材がコロンブス製の異形スチールチューブだったので、治具は一々ブロックを並べて芯を出す必要があって、生産性はすこぶる悪く、型紙はありましたが、スチールの板からフィンもサイズに合わせて切り出していました。ものすごい手間のかかったフレームです。市販価格は90万円ほどでした。

接合部分には剛性アップのためのフィンがつけられていますが、一部のチネリ取扱のショップのホームページのコメントや、雑誌やブログのライターの記事にあるような、ティグフィレット溶接によるロー材を盛り上げたフィンではありません。

シャープなフィンはペゼンティ氏の見せてくれたスタディワークでは、エアロダイナミクスを狙ったものではなく、接合部分の剛性アップのために、チューブを溶接するアイデアから始まったものだそうです。それが最終形としてスチール製の板を溶接したフィンに至っています。

フレームチューブをティグ溶接で組み上げて、型紙を当ててスチールの板を切り出して溶接して、接合部分にパテを盛り上げて接合部を美しいスロープに仕上げているのです。これはレーザーのスチール製フレームを塗り替えてみればわかります。

レーザーのフレームは、イタリアナショナルチームのチームロードのオフィシャルバイクに何年も採用されて、世界選で数々のメダルを獲得しているし、ソビエトの世界的なパシューターのエキモフの愛用バイクでもあり、美しいだけでなく実戦レーシングモデルでした。

ペゼンティ氏はガンの治療のためにロマーノのファクトリーを解散して、治療を終わって社会復帰すると、ペゴレッティという社会福祉に関係したフレームブランドのファクトリーのフレーム製造の指導に関わりました。

6年ほど前に、再びチネリとジョイントして、レーザーはスチール製フレームの生産を停止していましたが、カーボンフレームに移行しました。プロデュースはスチールフレームを生産していた協力ファクトリーを経営していたアンドレア・ペゼンティ氏で、コロンブスのカーボンチューブを協力ファクトリーで組み上げています。

カーボンフレームのレーザーミアは受注生産品で納期は3ヶ月から半年くらいと言われています。日本での輸入代理店はポディウムです。ハンガーからシートチューブまでのフレームサイズは10mm刻みで対応してくれるそうです。ハンガー規格はBSCです。フレーム価格は60万円ほどです。

フレーム単体重量は1000gを切っています。リヤエンド幅は130mmで、シートチューブはラウンドで27、2mm径です。今のところ油圧ディスクブレーキ仕様は発表されていないようです。カラーはレーザーブルーのみです。これが今、一番欲しいカーボンフレームです。

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