長いことかけてブルーズリリックス本をほぼ書き上げた時点で (後はまえがき・あとがきと付録だけ)、こんなブルーズ語辞典を手に入れてしまった。
Barrelhouse Words: A Blues Dialect Dictionary
https://www.amazon.co.jp/Barrelhouse-Words-Blues-Dialect-Dictionary/dp/0252076605
ええい、いまさら対訳の手直しなんかしないぞ!
とか思いつつ、パラパラめくってたら、目下世間が騒いでおらっしゃる、コカインねたにぶつかった。
デルタブルーズの古典、チャーリー・パットンの「スプーンフル」。
あれ、白い粉末のコカインを、鼻から吸いこみやすいようにスプーンですくったところを、歌ってるんだって書いてある。
ほんまかいな。
デルタの片田舎にいたパットンの周囲に、そんなブツがあったんかいな。 酒さえ十分には買えないで、キャンド・ヒートなんてあぶないものを飲んだりしてた皆さんに、到来もののコカインを買うお金があったんかいな。
この件は、今後の研究課題だけど (ハウリン・ウルフの「スプーンフル」はたぶんコカインとは無関係)、本書を読むと、ブルーズ語のうちかなりの部分が男性のナニと男女のナニの隠語だという冷厳なジジツをつきつけられて、とても枯れちゃってる私としては、まことに胃もたれする心持ちになるのであります。
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