金子文子と朴烈

昨今の国際情勢を受けて一部では反日とか叩く人もいるのだが、朴烈事件を扱った韓国映画。朴烈事件についてはWikipediaを参照してください
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E7%83%88%E4%BA%8B%E4%BB%B6

韓国の視点で関東大震災およびその後の事件を描いた映画として見ごたえがあった。この手の映画を見る目的の１つに異なる文化での視点で物事をみると自分の常識と何が違うか、を考えることができるので、その意味ではいい映画だと思った。

ところで、つぶやきにも書いたけど、当時の社会情勢というか、大戦景気のあとの戦後恐慌が残っていたり、明治から続く急激な社会の変化に伴う様々な矛盾点が噴き出してきた時代でもあるのは理解しているつもりだし、いろいろな主義の人が活動していた時代でもあるのはわかる。

その上で、この人たちは一体何がやりたかったんだろうなーと思ってしまうのは、自分が歳ですっかり保守な思考になっているからであろうか。金子文子の生きざまは激しいが、この激しさは持たない者の強みなんじゃないかと思ってしまう。劇中でも過激な理想主義とか、目立ちたいだけだとか、そういう評価をする人が出ていたが、その見方にも納得できる。
金子文子は終身刑が確定した後、獄死するが、自殺ではなく他殺説もあるらしい。しかし、彼女は長生きするつもりもなかっただろうな。世の中を扇動するかのような言動は多分人生を投げ捨てるつもりだったと思えてしまうのだ。